キャビンアテンダントとして海外の航空会社で働くために知っておきたいポイント

キャビンアテンダントを目指す皆さんがまず思い浮かべる航空会社は、日系大手航空会社の JALやANAではないでしょうか。

しかし、世界中には実に多くの航空会社があり、海外の航空会社でもたくさんの日本人キャビンアテンダントが活躍しています。

海外の航空会社で乗務するキャビンアテンダントの多くは海外ベースが基本となり、海外で暮らすことができる、異なる国籍のクルーと乗務を共にすることができる、日系航空会社とは異なる経験を積める、休暇が取得しやすく福利厚生が充実しているなど魅力が多いのも海外航空会社の特徴です。

海外の航空会社に興味を持っている人も、自分にはハードルが高いのではないかと不安に思っている人も、ぜひ知っておいてほしいポイントをまとめました。

海外の航空会社にはどのような企業がある?

キャビンアテンダントとして海外の航空会社で働くために知っておきたいポイント

航空会社の数

現在、世界の航空会社の数は、定期便・不定期便・貨物便を含めると、約1500社あります。

主に旅客の運搬を目的に運航され、キャビンアテンダントが乗務する航空会社を定期旅客航空会社(エアライン)と呼び、その数は世界中で約730社にのぼります(2017年9月現在)。

日本人キャビンアテンダントの採用

世界にある定期旅客航空会社の中で日本人キャビンアテンダントを採用している航空会社は、約100社。

しかし中には、現地で就労できる資格があることを条件としている航空会社やキャビンアテンダントの業務には携わらない機内通訳の採用のみを行っている航空会社、または欠員が出た時のみ採用を行う航空会社や長期にわたって採用を見合わせている航空会社もあり、定期的に日本人キャビンアテンダントの採用を行っている航空会社は限られているのが現状です。

キャビンアテンダント未経験者の採用には消極的な企業も多い

日系航空会社が新卒採用を行う場合、キャビンアテンダントの初期訓練以外にも社会人として必要なマナーや知識を一から教育し人材を育てていく環境が整っています。

それに比べ海外の航空会社の多くは、一人一人の個性を重視し、キャビンアテンダントとして最低限必要な保安訓練を中心に行うため、日系航空会社ほど丁寧に時間をかけた教育を行わない場合がほとんどです。

そのため、一から教育が必要な新卒の未経験者の採用には消極的な航空会社も多く、反対にキャビンアテンダントの経験者、または社会人としての基本的なマナーや知識をすでに持っている人の方が即戦力として好まれる傾向にあります。

個性が豊か

海外の航空会社の大きな特徴は航空会社によりその個性が大きく異なることです。特に、キャビンアテンダントの制服デザインを見るとその特徴がよく表れています。

日系航空会社のキャビンアテンダントの制服がネイビーやグレーなど落ち着いた色合いを基調としているのに比べ、海外の航空会社では赤やライトブルー、グリーンなど明るい色を使用したり、その国の民族衣裳を基にしたデザインを使用するなど、個性的で印象深いものとなっています。

また、キャビンアテンダントも多国籍な上、日系航空会社に比べると男性キャビンアテンダントも多く、それぞれの個性を生かした役割を担っています。

キャビンアテンダントとして求める人材像

海外の航空会社で働くキャビンアテンダントは、その航空会社の本拠地である海外都市をベースに乗務することが多くなります。そのため、海外の異なる環境での生活をはじめ、国籍の異なるクルーとのコミュニケーションを円滑にはかれることが重要です。

稀に日本にベースを設けている海外の航空会社もありますが、その場合の多くは他のクルーと動線が異なるため、機内以外では単独で行動する必要が出てきます。

このようなことから、日系航空会社では協調性や細やかな気配りなど、まずは相手のことを考えられる人が好まれる傾向にありますが、海外の航空会社では異なる環境に適応でき、人に言われなくとも自分の役割を把握して自主的に行動できること、自分の意見をしっかりと伝え自己主張ができることなど、より自立している人材が求められています。

また、海外の航空会社が日本人キャビンアテンダントを採用する主な理由は、日本人乗客の対応を任せるためです。

英語や現地の言語を話せることだけでなく、正しい日本語を使えること、敬意を持って日本人乗客が満足のいく質の高いサービスを提供できることが求められています。

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海外の航空会社のキャビンアテンダントの年収・福利厚生

キャビンアテンダントとして海外の航空会社で働くために知っておきたいポイント

年収・給料

日系航空会社と違い、海外の航空会社のキャビンアテンダントは契約社員がほとんどです。

海外の航空会社で働くキャビンアテンダントの給与形態は、日系航空会社と同じく、基本給+フライト時間給+諸手当となります。

海外の航空会社で働くキャビンアテンダントの年収は、その国の通貨によって支払われることが多いため、日本円に換算すると多少の変動があることは否めません。また、給与額はその国の物価によっても差異がありますが、ベースのある国の物価が基準となっているため、基本的には日系航空会社に勤務する場合とほぼ同等の生活が可能な程度と考えて良さそうです。

日系航空会社と海外の航空会社において最も異なる点は、年収・給与にかけられる税率です。所得税が課せられない国の場合には、年収がそのまま手取りになります。

契約社員としての採用の場合には、退職金が支払われないことも多く、キャビンアテンダントの正社員化を進めている日系航空会社に比べると、同じ会社で長く働き続けることが難しい状況にあります。

各種手当

給与にプラスして支給される各種手当には、主にパーディアム(ステイ中の食事代や滞在費)、ベース都市での住宅費、交通費などがあります。

パーディアムはステイする都市により金額は異なりますが、ステイ先でその都度現地通貨で支給される場合と、給与とは別に1ヶ月分まとめて振り込みにて支給される場合があります。

また、海外ベースで働くキャビンアテンダントの多くは、会社が用意する寮やマンションで生活することになります。家賃、光熱費、交通費などがすべて会社持ちという航空会社もありますが、寮やマンションが用意されていない場合には、上限付きで住宅費を別途支給されます。

特別手当は各航空会社や経営状況により支給額は異なりますが、基本的に日系航空会社よりも多く、約12ヶ月分が支給される航空会社もあります。

福利厚生

日系航空会社では、健康保険加入、年次有給休暇、産休育休等の各種休職、社員優待航空券の配布などがあるように、海外の航空会社でも同様に、原稿保険加入、年次有給休暇、産休、社員優待航空券の支給があります。

海外の航空会社で働くにあたり不安視されるのが健康保険だと思います。多くの航空会社では、自社契約の医療施設を保有しており無料で利用することができます。また、ステイ先で体調を壊すなどした場合に利用できる健康保険への加入も用意されています。

海外の航空会社の年次有給休暇数は、入社年度より年間約20~42日が支給され、消化率は100%となっています。反対に、産休については約1ヶ月前後と日系航空会社よりはるかに短くなっています。

社員優待航空券は、航空会社や勤続年数によってそれぞれ規定が異なりますが、自社便の無償航空券と自社便及び他社便の航空券割引制度があります。

また、海外ベースにて勤務するキャビンアテンダントの場合、社員優待航空券とは別に年に1~2度の帰省用航空券が支給される航空会社もあります。

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英語力が低くても海外の航空会社のキャビンアテンダントにはなれる?

必要な英語力

海外の航空会社でキャビンアテンダントとして働くためには、英語力は必須です。

海外の航空会社の訓練はすべて英語で行われるほか、クルー間のコミュニケーションも英語で行われるため、日系航空会社より高レベルな英語力を求められます。アジア系航空会社では、日系航空会社同様にTOEICの点数を基準にしている航空会社が多いですが、多国籍のクルーが在籍する中東系や欧州系などでは、点数ではなく実際のコミュニケーション力や英語での対応力を重視しており、英語が堪能であることを条件としています。

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キャビンアテンダントになるための英語力の伸ばし方

キャビンアテンダントとして海外の航空会社で働くために知っておきたいポイント

英語力の伸ばし方

海外の航空会社のキャビンアテンダントを目指す人は、早い段階で英語力を身につける必要があります。

読み書きを中心に学習してきた日本人にとって英語でのコミュニケーション力をつけるのは簡単なことではありません。

英語のニュースやラジオを聞く、英会話スクールに通うなどしながら、日々英語に触れる機会を増やし英語力の向上を目指しましょう。

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キャビンアテンダントになるためには海外留学の経験は必要?

留学の必要性

海外の航空会社のキャビンアテンダントになるために海外留学は必須ではありません。しかし、海外の航空会社で働くキャビンアテンダントには海外留学やホームステイの経験をしている人が多いのも現状です。

海外ベースという異なる環境で生活することや異なる国籍のクルーとコミュニケーションをとりながら乗務を共にする際、海外留学で身につけた国際感覚や経験が役に立つということも多いようです。

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外資系キャビンアテンダント、海外の企業で働きたい方へのアドバイス

海外企業勤務の経験から

キャビンアテンダントの仕事に関わらず、海外の企業で働くことは容易ではありません。生活環境、文化、言語などの違いから、いくつもの壁に当たってしまうこともあるでしょう。

一般的に日本人は自己主張が足りないと言われがちです。それは、周りへの気遣いができ、控えめであるという日本人らしさの裏返しでもあるのですが、異なる感性を持つ多国籍の中で対等に働くためには、自分の主張をきちんと行う必要があります。自分の主張が足りないため、何を考えているのかわからないと思われたり、うまく断れないため、人より多く仕事を抱えてしまい業務負担が増えるということはよくあることです。

住み慣れた環境から離れ、海外企業で働くことは大変なことも多いですが、多様性に富んだ環境は刺激的で楽しいことも多く、日系企業ではできない経験をたくさん得ることができます。
海外企業で働くチャンスは、誰にでも平等に用意されています。海外企業はハードルが高いのではないかと最初から諦めてしまわずに、常に自分を鼓舞し前向きに、まずはチャレンジすることからはじめましょう。

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この記事を書いたキャビンアテンダントは・・・

ca6桜子さん

海外の大学へ留学後、旅行やビジネスコミュニケーションの仕事を経験し、日系航空会社のキャビンアテンダントへ。アジア・中東・欧州での生活経験あり。

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