国内線とは違う?国際線の客室乗務員はどのようなスケジュールで勤務するの?

客室乗務員を志望するにあたってどんなフライトスケジュールなのか、自分の生活スタイルはどうなるのかあらかじめ予想しておきたいものですよね。

国際線となれば深夜に出発する便もありますし、時差もあります。現地でのステイは国内線と違って数泊することも多くスケジュールといっても行き先によって全く変わってきます。でもフライトスケジュールについては情報が少なくなかなか想像がつかないもの。

ここではそんな皆さんに欧米路線をメインに飛ぶ国際線客室乗務員のフライトスケジュールについてお伝えします。

国内線CAのスケジュールを知りたい方はこちらも参考にしてください。

国際線客室乗務員の勤務時間について

国内線とは違う?国際線の客室乗務員はどのようなスケジュールで勤務するの?

勤務時間といっても客室乗務員の場合、地上勤務を含めた総合的な勤務時間と乗務時間というように計算が分けられています。

勤務時間=フライト前にクルーが全員出頭してブリーフィング(打ち合わせ)が始まる時間が勤務開始、フライト後のブリーフィングが終わる時間が勤務終了とされています。そして実際に飛行機に乗ってドアが閉まった時間から着陸してドアが開くまでが乗務時間。これを前提にお話ししましょう。

一般的な日の勤務時間

勤務時間はフライト先によって全く変わってきますが、例えば韓国や中国のような短距離路線になると日帰りスケジュールが大半で勤務時間は7時間〜10時間ほど。タイやシンガポールなど中距離線は1泊3日、そして長距離線は2泊4日乗務パターンになることが多いです。

航空会社によっては国際・国内という分類ではなくどちらの乗務も求められる会社もあります。そういった場合、国内線乗務自体はそんなに多くはありませんが、国内線と国際線乗務が前後にくっつく事もあります。私が現役だった当時の一番長い勤務パターンになると1日2〜3本の国内線乗務で1泊2日、その翌日すぐに国際線2泊4日がついて6日間の勤務でした。

ロングフライトの場合

例えばパリへのフライトだとしたら往路だけで勤務時間は約14〜15時間ほど、うち乗務時間は12時間〜13時間くらいです。日本発ヨーロッパ行きのデイフライトだと大抵は日本時間の11時ごろ出発、現地の夕方着。時差はサマータイムだと日本よりー7時間ですので日本時間でざっくり考えると午前10時に勤務開始、深夜24時過ぎに勤務終了となります。そう考えるとかなりの体力仕事ですよね。そして現地では48時間、つまり2泊ステイして3日目の夕方発便のナイトフライトで帰国します。日をまたいで翌日到着ですので2泊4日というパターンになるわけですね。

国際線客室乗務員の休日について

もうお分かりの通りカレンダー上の休日とは全く無縁な勤務となります。年末年始もお盆も運が良ければ休日がかぶりますが基本的に航空会社は公共交通機関。年中無休の運行スケジュールでの勤務です。ではそんなキャビンアテンダントの休日にはどんなものがあるのかご紹介します。

半年ごとに出るおおまかな休日

フライトチームというものがあり、年度の上半期・下半期ごとにチームでどの路線をいつ飛ぶかが一気に発表されます。チームでのフライトは1ヶ月に大体1〜2本の割合、さらにそのフライト後に必然的にくっついてくる休日も発表されますので、その休日に有給をつなげて連休にしたり、チーム内の同期どうしで旅行の計画を立てたりしていました。半年分一気に発表されるのでこれをもとに長期休暇なども計画を立てていきます。

シフト発表

客室乗務員が一番ドキドキするシフトの発表は毎月27日。申請しておいた有給が取れているかは通常前月中旬には発表されますが、もし有給が取れていなかった時はこのシフト発表をすぐに確認していました。というのも運が良ければフライトパターンの都合上、有給希望していた日と発表された休日とかぶっていることが稀にあるからです。とにかく休日に関してはいつもドキドキ、休日合わせも一苦労でしたね。

参考:キャビンアテンダントの休日はどのぐらいあるの?

国際線客室乗務員はどんな1ヶ月を送るの?

国内線とは違う?国際線の客室乗務員はどのようなスケジュールで勤務するの?

これまで触れてきたように客室乗務員一人ひとり全く異なるスケジュールですが、ではだいたい1ヶ月どんなシフトになるのでしょうか。現役客室乗務員の1ヶ月のフライトスケジュールを見てみましょう。

  • 休日11日
  • スタンバイ4日
  • 国内線2日(1泊ステイ)
  • ロングフライト2.5回(それぞれ2泊4日)
  • 中国路線2回(それぞれ日帰りと1泊ステイ)
  • 終日ミーティング1日

※月またぎのフライトパターンを0.5回としています

休日は月によりますが、だいたい11日〜13日くらいでしょうか。スタンバイはフライトが入らなければ待機するだけで終わるので、ゆっくり本を読んで終了、ということもありますが4日間連続のスタンバイとなるといきなりロングフライトが入ることもありますので気は抜けません。

国際線客室乗務員はどんな一日・一週間を送るの?

月〜日曜日までの一週間を実際のスケジュールから抜粋してみました。2泊4日とは実際どんなパターンになるのかここで見てみましょう。

  • 月曜日:勤務開始10:25〜勤務終了17:45(現地時間)欧州行き1便、ステイ
  • 火曜日:ステイ
  • 水曜日:勤務開始18:30(現地時間)〜 日本行き1便
  • 木曜日:15:35勤務終了 帰宅
  • 金曜日:オフ
  • 土曜日:オフ
  • 日曜日:勤務開始21:15〜勤務終了00:20(現地時間)中国行き1便、ステイ

ロングフライトが入ると、上記のように4連勤+2連休後に遅出社、もしくは4連勤+3連休がもらえますので一週間はあっという間に終わります。

ロングフライトで一度飛んでしまえば現地ではまるまる2日間休日となりますので考え方によっては一週間の中で4〜5日ほどはゆっくり羽を休めることができますね。1日3便の国内線を細々と飛ぶ国内線パターンに比べ、ロングフライトのつく週はまとめて働きまとめて休む、という感じでしょうか。

国際線で客室乗務員をしていた私の体験談

客室乗務員時代に出会ったお客様とのエピソード&仕事のやりがい

国際線勤務では自己管理が最重要

このように人によって出勤する時間も、行き先も、休日もすべて異なりますのでフライトスケジュールから自分のプライベートをうまくセルフマネジメントしなければいけません。路線によって時差や気候も全く違いますので体調管理はもちろんのこと、早朝5時出勤もあれば深夜0時の出勤もありますので、休日であっても翌日のフライトに備えてしっかり睡眠を取る時間も必要です。

荷物のパッキングも行き先の気候に合わせた衣類や携行品など路線ごとに毎回違いますので私はいつも余裕を持って済ませておき、各国の入国情報や必要書類などに目を通したりして事前準備していました。

シフトによって毎回変わる通勤方法・通勤時間

実は私にとって毎回ストレスになっていたのは出社先の空港を確認してそこまでの交通機関を調べる事。毎日同じ時間の電車に乗るわけではないですし羽田と成田で通勤にかかる時間も全く違いますので、確実な乗り換えをチェックしておく必要があります。とくに本数の限られた成田行きのリムジンバスやNEXに乗る時、また電車の少ない夜の出社では乗り遅れは許されません。

毎回フライト前に確実な通勤ルートをチェックし、時間を逆算して目覚まし時計を予備も含めて2つかけていました。クルーの出社遅れは最悪運行に影響しかねないので、地道ですが気の抜けない作業なのです。

連休+ステイ先での時間をうまく活用

国際線の良いところはまとまった休日です。ロングフライト後の3連休は予定を入れやすいですし、さらに海外での2日間のステイでは国内ステイのビジネスホテルとは違って割とゆったりした大きな部屋に泊まれる事が多かったので、観光だけでなく部屋でリラックして本を読んだりDVDをまとめて見ているCAも多かったです。

私はよくNHK講座のテキストとパソコンを持参して集中して勉強したり、ジムで走ったりサウナでリラックスしたりしていました。

スケジュールが発表されたらすぐ1ヶ月の計画を立てる

このように自分のプライベートは毎月のスケジュール次第。待ちに待ったスケジュールはオンラインで確認できますので、発表の日の夜0時になった途端サーバーが混雑するくらいくらいアクセスが集中することも。

このスケジュールを確認したら仲の良い同期や友達に送って翌月の予定をざっと立てます。ここの連休は旅行、この日は習い事、このステイでは現地の友達と一緒にご飯、など客室乗務員になるとこういったスケジュール管理がテキパキと素早くできるようになりますよ。

国際線客室乗務員ならではのやりがい

国内線とは違う?国際線の客室乗務員はどのようなスケジュールで勤務するの?

このように国際線客室乗務員のスケジュールは一般のお仕事と全く異なり平日をうまく活用できますし、海外でのステイと休日を合わせれば結構プライベートの時間が長いのが特徴です。仕事以外にもやりたい事がある人にとっては計画次第で充実した生活スタイルを実現できるのが魅力ですね。

もちろん国をまたぐ国際線乗務ですので、各国の出入国の法律や国際情勢など国内線にはない緊張感がありますが、今週はタイ、来週はロンドン、次はニューヨク、というように違う国へ次から次に飛べる醍醐味はこの仕事以外にはなかなか味わえません。国際線客室乗務員なら誰でもそうですが、この「非日常」が「日常」の生活スタイルは一度味わったらなかなかやめられない、最大のやりがいです。

参考:客室乗務員としての仕事のやりがい・魅力はどんなところ?

国際線の客室乗務員、外資系の客室乗務員を目指している方へ

世界が小さく感じるなんて想像しただけでワクワクしますよね。国際線の客室乗務員は特別な仕事ですが、特別な人がやっているわけではありません。誰でも挑戦できる仕事です。(私は海外に特に縁のない人生でしたし、客室乗務員になるとは夢にも思っていなかった人間です笑)

客室乗務員志望の皆さん、ぜひ夢を叶えて世界に羽ばたいてくださいね。

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この記事を書いたCA(客室乗務員)は・・・

ca4涼子さん

国内系大手航空会社の国際線客室乗務員として10年以上勤務し、世界中をフライトで飛び回る。世界の大都市・グルメ・音楽・カルチャーに関心を持ち、結婚に伴いヨーロッパでの海外生活を始める。翻訳・通訳歴も数年あり、英語・ドイツ語はビジネスレベル。

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