世界中を飛びまわる華やかなイメージ、空港で颯爽と歩く姿や機内での質の高いサービスを目にしたことがきっかけで、キャビンアテンダントに憧れを抱いたことがある人も多いのではないでしょうか。
しかし、いざキャビンアテンダントを目指すとなると、「どうやったらなれるのかわからない」、「何から始めていいのかわからない」、という声もよく聞きます。
そこで今回は、キャビンアテンダントの仕事内容や必要なスキルなど、キャビンアテンダントになりたい人のために役立つ基本ポイントをまとめました。キャビンアテンダントについてしっかりと知ることで、キャビンアテンダントへの最初の一歩を踏み出しましょう。
キャビンアテンダントの仕事内容について知ろう
どんな仕事をするか
キャビンアテンダントの仕事と聞いて思い浮かべるのは、笑顔で乗客をお迎えし、機内でのドリンクサービスやミールサービス、機内アナウンス、毛布や必要書類の配布、免税品の販売など、機内サービスの部分だと思います 。
キャビンアテンダントの仕事には、普段乗客が目にするサービス要員としての役割のほかに、機内の安全確認、機内に装備されている非常用設備の確認をはじめ、急病人への応急処置、ハイジャックや機内トラブルへの対応、緊急事態が発生した際には乗客の安全の確保と誘導を行うなど、保安要員としての重要な役割があります。
サービス面では乗客のニーズを汲み取り、機内で快適に過ごしてもらえるようできる限りの対応を行うとともに、いつでも緊急事態や不測のトラブルに対応できるよう五感を働かせて乗務しています。
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どんな苦労があるか
キャビンアテンダントは会社のフロントラインにおいて、常に人と接する仕事です。そのため、キャビンアテンダントの振る舞いや言動が会社のイメージに直結してしまいます。機内、空港内だけでなく、ステイ先への移動中などにも、会社の顔として見られているという意識を持たなければなりません。
キャビンアテンダントの勤務時間は毎回異なります。時差のある国へのフライトや10時間を超える長時間のフライトが続くこともあり、生活が不規則になり、睡眠不足に悩まされることも少なくありません。機内では立ちっぱなし、動きっぱなしということも多く、重いカートや搭載品の管理など、思っている以上に体力が必要です。
また、外資系航空会社のキャビンアテンダントは、慣れない海外で暮らすこと、国籍、言語や文化背景が異なるクルーと乗務を共にすることなど、様々な苦労があります。
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どんなやりがいがあるか
キャビンアテンダントの仕事は、国籍、年齢、利用目的も異なる多くの乗客と直接接することで、その反応をダイレクトに感じることができます。ひとつとして同じフライトはなく、キャビンアテンダント一人一人が個性を生かしながら協力し、常に考えながらより良いサービスを追及することができるとてもやりがいのある仕事です。
キャビンアテンダントは乗務経験を積むことで任される業務の幅も広がります。国内線乗務から国際線乗務への移行、エコノミークラスからビジネスクラス、より質の高いサービスを求められるファーストクラスの担当を任されるようになる、クルー全体をまとめるチーフへ昇格するなど、どんどんステップアップすることができます。自身の経験値や知識を高め、努力すればするほど、幅広い業務を経験することができます。
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なぜなりたいのかを深く考えよう
キャビンアテンダントのどのような点に魅力を感じるのか
「世界各国を訪れることができる」、「憧れの制服を着用することができる」、「華やかなイメージの仕事」など、表面的な魅力はたくさんあると思います。
しかし、現実には憧れだけで続けていけるほどキャビンアテンダントの仕事は甘くありません。キャビンアテンダントへの憧れやイメージだけではなく、なぜキャビンアテンダントになりたいのかをしっかりと考える必要があります。
キャビンアテンダントになりたいと思ったきっかけ、どうしてキャビンアテンダントになりたいのか、キャビンアテンダントのどこが魅力なのか、どんなキャビンアテンダントになりたいのか、キャビンアテンダントになってからの展望など、様々な角度から深く考えてみましょう。
苦労や困難を乗り切れそうか
華やかなイメージを抱かれることが多いキャビンアテンダントの仕事ですが、機内という限られた空間での仕事の難しさ、命に関わるトラブルや緊急事態が発生し得るなど、地上での仕事とは異なる困難な場面に遭遇することもあります。
言語や文化、宗教的背景の異なる乗客の対応や国籍の異なるクルーとの乗務など、自身の知識不足や価値観の違いから、理解し合えない状況に陥ってしまうこともあります。また、海外で体調を壊したり、時差ぼけや長時間に及ぶ勤務から体調を壊したりということも少なくありません。
どのような状況下においてもしっかりと自分を持ち、苦労や困難に立ち向かっていけるのか、しっかりと考えてみましょう。
専門学校やエアラインスクールを検討しよう
専門学校のメリットとデメリット
最短でキャビンアテンダントになりたいという人は、専門学校を検討してみましょう。
専門学校では、即戦力となり得る人材の育成に力を入れているため、キャビンアテンダントの仕事に特化した実践的な授業を受けることができます。また、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できるため、モチベーションを保ちやすいというメリットがあります。
しかし、専門的な知識やスキルを短期間で身につけることができる一方で、大卒以上を応募条件としている航空会社の受験ができないなど、進路が限定されてしまいがちというデメリットがあります。
エアラインスクールのメリットとデメリット
キャビンアテンダントになるためにしっかりと下準備を行いたいという人は、短大や大学在学中、または社会人でも空いている時間を利用して通うことができるエアラインスクールを検討してみましょう。
エアラインスクールでは、キャビンアテンダント経験者の講師やスクールの卒業生である現役キャビンアテンダントなど、キャビンアテンダントに関する知識と情報をたくさん持った人の声を聞くことができます。
航空業界に特化した実践的な授業を受けることができるだけでなく、求人情報や過去の試験の情報が豊富である上、応募書類作成や面接対策などしっかりとしたサポートを受けることができるというメリットがあります。
エアラインスクールでは、開講時期や定員が限られているというデメリットがありますが、早めに資料請求や情報収集を行うことで解決できます。同じ夢に向かって頑張る仲間と前向きな気持ちでキャビンアテンダントを目指すことで、合格への可能性が高まる傾向にあります。
キャビンアテンダントに求められるスキルは?
マナー
キャビンアテンダントに求められるスキルの中でももっとも重要といえるのがマナーです。
キャビンアテンダントは、多くの乗客と接するだけでなく毎回異なるクルーと乗務を共にし、協力しながらフライトを作りあげていきます。
良好な人間関係を築くためにも、言葉遣い、身だしなみ、立ち居振る舞いなど、社会人としてのマナーは必須です。
英語力
キャビンアテンダントになるために必要な英語力は、日系航空会社でTOEIC600点程度、外資系航空会社ではTOEIC700点以上です。中には、TOEIC900点前後を必要とする航空会社や、点数ではなく英語でのコミュニケーションがきちんと取れること、英語が堪能であることを条件としている航空会社もあります。
観光地理
日本各地、世界各国へフライトを行うキャビンアテンダントは、最低限の観光地理の知識が必要です。
機内では、到着地の入国書類の書き方にはじまり、空港から市内への移動手段、その都市の美味しい料理を食べられるレストランやおすすめの観光地など様々な質問を受けます。乗客からの多様な質問に応えられるよう、就航している都市についての知識を高めておく必要があります。
キャビンアテンダントの就職先を知ろう
国内の航空会社
現在国内には18の定期旅客航空会社があります。
大手と呼ばれるJAL、ANAとそのグループ会社とLCC(格安航空会社)では、就航地の数や乗務する機材、職務内容が異なることもあります。しっかりと企業研究を行い、自分にあった航空会社を見つけましょう。
海外の航空会社
2018年現在、世界には728の定期旅客航空会社があり、多くの日本人キャビンアテンダントが活躍しています。
海外の航空会社でキャビンアテンダントとして勤務する場合には、海外ベースでの勤務となることや異なる国籍のクルーと乗務すること、時には日本人クルーは自分一人という過酷な環境での乗務となることもありますが、個性豊かなクルーとともに日本人としての良さを生かしながら乗務ができることは海外の航空会社ならではの魅力です。
また、航空会社によってはキャビンアテンダントとしての採用ではなく機内通訳としての採用を行っている会社もあります。
これからキャビンアテンダントを目指す方へ
キャビンアテンダントになるためには細かな応募条件をクリアしなければならない、採用試験の倍率が高い、採用が定期的に行われないなどの理由からチャレンジする前に諦めてしまう人も多いと聞きます。
キャビンアテンダントの仕事は特殊な仕事ではありますが、決して難しい道ではなく、特別に選ばれた人だけがなれるというわけでもありません。
十分な時間をかけて企業研究や受験対策を行い、キャビンアテンダントの仕事を理解し、キャビンアテンダントになるために必要なスキルを磨くことで、皆平等にチャンスはやってきます。「キャビンアテンダントになりたいな」と漠然と思うだけでなく、まずはキャビンアテンダントについて知ることから始めましょう。
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この記事を書いたキャビンアテンダントは・・・
桜子さん
海外の大学へ留学後、旅行やビジネスコミュニケーションの仕事を経験し、日系航空会社のキャビンアテンダントへ。アジア・中東・欧州での生活経験あり。