機内で出会った客室乗務員の胸元に、ランゲージピン(国旗のマークのピン)がついているのを見たことがありますか?
客室乗務員は、機内でお客様に接する際にどの言語での対応が可能か一目でわかるようにランゲージピンをつけています。(ランゲージピンを導入していない航空会社もあります。)
世界中を飛び回る客室乗務員は、世界各国の異なる国のお客様とコミュニケーションが取れるよう、母国語がきちんと話せることと国際的な主要言語である英語の習得が必須とされていますが、中には第2外国語を習得し、3ヶ国語を話せる客室乗務員もいます。
そこで今回は、客室乗務員を目指す際に必要な英語力とおすすめの第2外国語についてまとめました。
客室乗務員にはある程度の英語力が求められる
客室乗務員を目指すために必要な英語力は、TOEIC600点程度以上と言われています。
例えば、日系航空会社のJALやANAでは、募集要項にTOEIC600点程度以上と記載されており、それに満たない場合や英語力証明書を提出できない場合は、採用試験において英語の試験を受験する必要があります。
外資系航空会社では、アジア系航空会社の受験には日系航空会社と同等レベルのTOEIC600点程度以上あることが目安とされ、欧州系や中東系航空会社ではTOEIC700点以上、または英語が流暢に話せることが必須とされています。
ちなみに英語が流暢に話せるという目安は、一般的に英検で準1級程度以上、TOEICでは730点程度以上で、基本的な日常会話や簡単なビジネス会話など英語を使って相手とコミュニケーションが取れる程度のことを言います。
第2外国語は国際線に配属されたとき便利
初めて訪れる国で不安なとき、出会った人がほんの少しでも日本語で話しをしてくれたとしたら、ホッとすると同時に嬉しい気持ちになりますよね。これは機内でお会いするお客様も同じです。
特に、様々な言語を話すお客様が搭乗する国際線の機内では英語以外の言語を母国語とするお客様も多く、またお客様のすべてが英語を理解できるわけではありません。お客様の中には、日本語も英語もわからないために客室乗務員とコミュニケーションが取れなくて困っているということもあります。
そんなとき、第2外国語を話せる客室乗務員が乗務していれば、英語がわからないお客様にも快適で安心したフライトを楽しんでもらうお手伝いができるはずです。外資系航空会社を利用したときに、日本人乗務員が乗務していると安心するお客様が多いのと同じです。
外資系航空会社の客室乗務員を目指す場合には、母国語と英語だけでなくその国の言語を話せると尚良いとされており、採用試験で有利になることもあります。国際的な言語である英語だけでなく第2外国語を習得することは、より広範囲のお客様と円滑なコミュニケーションをはかるだけでなく、それぞれの文化背景を理解するためにも重要なツールとなります。
客室乗務員が習得するのにオススメの第2外国語
世界に数ある言語の中から、客室乗務員を目指す人がこれから習得するのにおすすめの第2外国語をいくつかピックアップしてみました。英語はすでに習得しているという人も、外資系航空会社を目指したい人も、今後第2外国語に力を入れたい人も、ぜひ参考にしてみてください。
中国語
実は、英語を話す人口よりも多く、世界でもっとも使用されている言語として有名な中国語。中でも標準語(北京語)は、訪日外国人の中でも圧倒的な数を占める中国本土、香港、マカオ、台湾、シンガポール、マレーシアなどの広い地域で使用されています。
世界のどの地域へのフライトでも中国語話者のお客様と接する機会があり使用頻度が高い上、漢字を使用する日本人にとっては親しみやすい言語でもあります。また、中国系航空会社では日本人客室乗務員を定期的に採用しているため、第2外国語として習得しておくと採用試験でアピールすることができます。
韓国語
韓流ドラマやK POPの影響で日本でも広く学ばれるようになった韓国語は、第2外国語としてもおすすめの言語です。韓国語を母国語として使用する人口はわずかですが、日本各地に就航している韓国路線では、観光だけでなくビジネスで利用するお客様が多く、韓国社会や文化への理解を深め、より複雑な会話に使用することもできます。
ヒンディー語
インドの公用語であり、世界で使用している人口は、中国語、英語に次いで3番目に多いとされるヒンディー語。インドではヒンディー語と共に英語が公用語とされているため、第2外国語として学ばれる機会は少ない言語ですが、地域によってはヒンディー語しか話せないという人も多く、習得するとほかの客室乗務員にはない特技としてアピールできる言語のひとつです。
また、インド国内ではエアアジア・インディアやIndiGo、ビスタラなどの格安航空会社や新興航空会社が急成長しています。今後、日本への就航が増えることも予想され、それにともない日本人客室乗務員の採用が行われる可能性もありますので、第2外国語としておすすめの言語のひとつです。
スペイン語
スペイン、メキシコをはじめ、チリやアルゼンチンなど全20カ国(地域)で使用され、ラテンアメリカの公用語としても知られるスペイン語。アメリカ国内でもスペイン語圏の移民が多い地域ではスペイン語を第2外国語として使用している場合が多く、習得しておくと何かと役に立つ言語です。
また、スペイン語は発音が日本語のカタカナ読みに似ていることが多く日本人にとって発音しやすい言語である上、英語のスペルと似ている単語も多いため、すでに英語を習得している人にとっては習得しやすい言語としておすすめです。
アラビア語
エミレーツ航空やエティハド航空を有するアラブ首長国連邦、カタール航空を有するカタールをはじめ、サウジアラビア、オマーンなどの中東・西アジア地域とエジプト、モロッコ、チュニジアなど北東アフリカ地域といった広い範囲で使用されているアラビア語。
日本人客室乗務員を多数採用しているエミレーツ航空やカタール航空だけでなく、中東地域と同じムスリムの多いシンガポールやマレーシア、インドネシアなどの航空会社においてもアラビア語話者のお客様が多く、意外にも接する機会が多いのが特徴です。
アラビア語は習得が難しい言語のひとつとしても知られているため、アラビア語を第2外国語として習得すると競争率の高い外資系航空会社を受験する際にも強くアピールすることができます。
国際線も視野に入れるなら第2外国語のチャレンジを
いかがでしたか?客室乗務員は日々多くの国のお客様と接します。英語だけでなく第2外国語も流暢に話せるようになるまで習得するのは難しいかもしれませんが、外国語を学ぶことでそれぞれの文化背景を知ることもでき、より深く親しみを持ってコミュニケーションがとれるようになりますので、国際線の乗務や外資系航空会社への就職を希望する人は第2外国語を学んでおいて損はないでしょう。
学生時代に第2外国語で挫折してしまった経験がある人も、新たな目標を持って興味のある国や地域から第2外国語を選択してみると良いでしょう。また、飛行機を利用する際には客室乗務員の胸元のランゲージピンにも注目し、どの外国語を話すことができるのか観察してみてくださいね。
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この記事を書いたキャビンアテンダントは・・・
桜子さん
海外の大学へ留学後、旅行やビジネスコミュニケーションの仕事を経験し、日系航空会社のキャビンアテンダントへ。アジア・中東・欧州での生活経験あり。