接客やサービスに厳しい客室乗務員から見て、実際に受けて良かった接客、感動したサービスがあれば教えてください

政治家や企業の経営者など、一流のお客様を飛行機でおもてなしするため、サービスや接客にはかなり厳しいイメージのある客室乗務員ですが、そんなサービスに厳しいCAの方々から見て、実際に受けて良かった接客や感動したサービスなどはあるのでしょうか。

A.失敗を挽回して、リピート利用につなげたホテルの接客・対応に感動

回答をしてくれたキャビンアテンダント

ca6桜子さん

海外の大学へ留学後、旅行やビジネスコミュニケーションの仕事を経験し、日系航空会社の客室乗務員へ。アジア・中東・欧州での生活経験あり。

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多くのお客様とお会いし、そのお客様に「また利用したい」と思ってもらえるような接遇を心がけている客室乗務員。職業柄、一般的にサービス業と呼ばれる職種についている方々の接遇には少し厳しい目で見てしまうところがあります。忘れられないほどの大きな出来事があれば、お客様はそのことを記憶し、次回利用する際にも一番に思い出してくれることでしょう。しかし、忘れられないほどの大きな出来事はそう起きるものではありません。小さな出来事の積み重ねが重要なのです。

日本のお客様のみならず海外からのお客様の心を掴んで離さない「帝国ホテル」のベルボーイは、お客様をお出迎えするその一瞬で、お客様の顔と名前、車、ナンバープレートを記憶するといいます。 接遇の基本は、「笑顔」「挨拶」「覚えること」「察すること」そして「気配り」です。「帝国ホテル」ではないですが、ホテルで受けてよかったと感じる接遇を紹介します。

香港で滞在したホテルの接客サービス

夫の仕事の関係で香港に暮らしていたこともあり、今でもよく訪れるのですが、その際に宿泊するホテルはいつも同じホテルに決めています。初めてそのホテルに宿泊した際、あいにく希望の部屋は満室で、別のタイプの部屋が用意されていました。それは仕方がないとして、その客室の清掃がきちんと行われておらず、そのことについて意見をしたことがありました。その際のスタッフの接遇がよくなければ、もう二度と利用しないでしょう。

しかし、チェックアウトの時間にフロントに行くと、希望の部屋を用意できなかったことと清掃が行き届いていなかったことを詫びるため、ホテルのマネージャーが待っていました。そして、次回香港に来る際にもう一度チャンスを欲しいと言われました。別れ際の丁寧な接遇は、とてもいい印象を残しました。その次に利用した際には、客室がアップグレードしてあり、直筆の手紙と飲み物、フルーツの盛り合わせが用意されていました。それからというもの、どういう形で予約を取っても、同じ客室へ通され、今では香港の家と言えるほどに利用しています。

接遇の基本を大切に

接遇の基本である「覚えること」「察すること」「気配り」ができており、また、それがスタッフの間で共有されていることがわかります。このケースは、ホテル側と宿泊者である私たちの間でwin-winの関係を築きました。一度の失敗をその後の利用へと繋ぐフォローアップが完璧に行われた結果です。

「覚えてくれている」という嬉しさは「大切にされている」と感じることにつながります。「大切にされている」と感じると「また利用したい」に繋がるのです。

接客やサービスに厳しい客室乗務員から見て、実際に受けて良かった接客、感動したサービスがあれば教えてください

A. 旅館の仲居さんによる踏み込んだ「おせっかい」サービスに感動

回答をしてくれたキャビンアテンダント

ユカさんユカさん

大学卒業後、客室乗務員として国内大手航空会社へ就職。人材サービス会社の事務職を経て、現在はフリーランスのライターとして活躍中。

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良い接客や感動するサービスとは?

良い接客や感動するサービスとは何だと思いますか?良い接客とは、お客様本位の接客と言われますよね。相手を思い、自然に手を差し伸べるような接客は、する方もされる方も心地よいものです。感動するサービスとは、良い接客のさらに先にあるものだと思います。良い接客と感じても、それが感動に繋がることはあまりありませんよね。接客業に携わっている人間としては、「お客様に感動した」と言われるようなサービスをしたいですね。

CAの私が感動したサービス

私が受けて感動したサービスは、旅館での仲居さんの対応です。そちらはチェックイン時に好きな柄の色浴衣を選び、館内や付近を散策できるサービスを行っていました。私も喜んで選んで部屋へ向かったのですが・・・浴衣の着付けはしたことがなく、かといって言い出すこともできず、まあいいかと思っていました。ところが夕食の準備で部屋を訪れた仲居さんは、普段着の私を見て、「浴衣は?着たら楽しいよ!」と着付けてくれました。

客室乗務員をしていた私は、どうしても相手の都合を考え躊躇してしまう傾向がありました。「せっかくの旅行に来たのに、我慢して帰ってしまうなんて寂しい」一歩踏み込んだ対応はサービスする側にとってとても勇気がいることですが、そこで引いてしまって喜んでもらえたはずの体験をしてもらえないほうが辛い。一見おせっかいとも思える仲居さんの行動は、とても心に残りました。

感動するサービスは予想できない

接客やサービスは、喜ばれることもあれば疎ましく思われることもあります。私の経験も、プライベートな時間を邪魔されたとマイナスのイメージでとらえる人もいるかもしれません。その人や状況によって感じ方は変わります。だからこそ相手の立場になって考えることが大切であり、意図して感動させることはできないのです。これこそ機械ではなく人が行う最大のメリットであり、接客業の醍醐味だと思います。

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A.ドイツのレストランでウェイターに自分の事を覚えていてもらったこと

回答をしてくれたキャビンアテンダント

ca4涼子さん

国内系大手航空会社の国際線客室乗務員として10年以上勤務し、世界中をフライトで飛び回る。世界の大都市・グルメ・音楽・カルチャーに関心を持ち、結婚に伴いヨーロッパでの海外生活を始める。翻訳・通訳歴も数年あり、英語・ドイツ語はビジネスレベル。

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以前ドイツの郊外にある割と大きめなスパホテルに泊まった時、2日連続でホテルのレストランを利用したのですが、何も言わずともさりげなく気の利いたサービスを受けとても気持ち良かったことを覚えています。

同じウェイターが担当だったのもあり、2日目はすぐに前日と同じテラス席にベビーカーと入れるテーブルを用意してもらいました。通常氷を入れない水のグラスに、私だけ前日にお願いしたように氷入りで持ってきてもらったり、気を利かせた担当ウェイターから赤ちゃん連れがいると聞いたのか、他のスタッフが離乳食用のスプーンを持ってきてくれたり。
かといってずっとすぐ隣に立っているわけでもなく、彼らは私達のタイミングに合わせてさりげなくサービスしてくれる、まさに気が効くとはこういう事か、という気持ちの良いサービスでした。

日本ではサービスに関して期待はある程度していますが、正直言って海外でのサービスには最初からあまり期待していなかったのでその分驚きもありました。チップも必要のないレストランサービスでしたので海外では結構珍しいと思います。逆に日本ではあまり印象に残るような素晴らしいサービスというのは覚えていません…。多分CAという職業柄、自分の期待する日本のサービススタンダードが高かったのかもしれませんが。

A. 他社エアラインのCAから学んだ細やかな「おもてなし」

回答をしてくれたキャビンアテンダント

ca5美咲さん

大使館での秘書業務を経験後、海外エアラインの客室乗務員に転職。結婚と夫の海外赴任に伴い、客室乗務員を退職し、現在はヨーロッパ在住。

 

他社のエアラインを利用したときはもちろん、通常の買い物の時まで接客方法が気になってしまいます。そういうCAの方が多いのではないでしょうか。時々、「あ!このおもてなし素敵だな、自分も見習おう」ということがあります。

あるとき、他のエアラインを利用して旅行に出かけたときのことです。私の席は非常口に近い、足の広い席でした。その席は足がのばせてゆったりできてよいのですが、実はドアが近いため他の席より寒いのです。寒がりの私は厚着をしていたのですがそれでも寒く感じ、それを察したCAの方が離陸が始まる前にブランケットを多めにくださいました。

通常、離着陸前は安全確認やお客様の対応などでとても忙しいのに、何も言わずともブランケットを多めに持ってきてくださったことに驚きました。さらにそのCAの方は飛行機が離陸して暫くすると「寒いでしょうから」と温かいお茶ももってきてくれたのです。そのCAの方はコールボタンにもすぐ対応されていて、たった数時間のフライトでしたがまた接客してほしいな、と思わせてくれる方でした。

こういう小さなことでも、自分の期待以上の接客を受けるとうれしいですよね。普段から接客のアンテナを広げておいて、細やかなおもてなしでお客様に満足していただきたいですね。

接客やサービスに厳しい客室乗務員から見て、実際に受けて良かった接客、感動したサービスがあれば教えてください

A.サービスは「思いやり」と学ばせていただいたスペイン旅行で出会った飲食店の対応

回答をしてくれたキャビンアテンダント

ca7彩夏さん

大学を卒業後、国内大手ホテルにて三年間勤務。その後、外資系の航空会社の客室乗務員を二社経験。機内での日英通訳として勤務した経験も持つ。

 

初めてスペインへ行ったときのことです。この時はまだ学生で一人旅でした。スペインも初めてだったこと、そして海外にも慣れていなかったこともあり緊張していたことを良く覚えています。

バルセロナに住んでいる友人を訪ねて行ったのですが、彼女は日中仕事をしていることもあり私は一人で観光をしていました。昼食を取ろうと、道沿いにあった小さなレストランに入りました。店内には地元の人と見られる方が数名いる限りでした。何にしようか迷っていたところ、若い男性店員が親切に教えてくれました。このお店の一押し、シーフードが好きならこちら、これは辛いから気をつけてなど、細かく丁寧に教えてくれました。注文後、wifiを繋ごうと訊ねると、そこのお店ではローカルの携帯番号がないと使えないとのことでした。私が持ってないことを知ると、自分の携帯番号を使ってくれて良いと言ってくれました。

その後も、一人旅で気を付けるべきこと、周辺のオススメなど様々教えてくれました。店を出る際に、お礼の気持ちとしてチップを渡そうとすると、『そのようなつもりでやったのではないから大丈夫です。』と丁寧に断られました。海外では全てチップのためのサービスだとばかり考えていた私は反省しました。彼のおかげで、初めての一人旅はとても素敵なものになりました。またサービスは思いやりだと学んだ日でした。

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