コミュニケーション上手になれる!CA流「クッション言葉の使い方」

CA流「クッション言葉の使い方」

「クッション言葉」をご存知ですか?

フライトごとに多くのお客様と出会う客室乗務員。お客様に何かをお願いする時だけでなく、お断りする時、注意を促す時にも、柔らかく受け止めるクッションのように、会話と会話の間に「クッション言葉」を挟むことで、その印象は和らぎ、随分と変わってきます。

伝えにくいことや言いづらいことを、印象よくお伝えすることができる言葉、それが「クッション言葉」です。

コミュニケーションをスムーズに、感じよく、スマートで 丁寧な印象を与える「クッション言葉」を使って、コミュニケーション上手になりましょう。

客室乗務員が業務中よく使う「クッション言葉」

  • 恐れ入りますが
  • 失礼ですが
  • 申し訳ございませんが
  • 申し上げにくいのですが
  • あいにくですが
  • お手数ですが

これらは、お願いをする時、お断りする時、クレームを頂戴した時などによく使用する「クッション言葉」です。

それでは、実際にどのように使用するか見てみましょう。

シーン その1

離陸前のキャビンチェック中にお客様の手荷物が収納されていないことを見つけた時。

「手荷物は前の座席の下にお入れください。」

これだと、敬語を使用しているにもかかわらず、少し上から目線な命令口調で、強い印象になってしまいます。

しかし、「クッション言葉」をつけると、

「恐れ入りますが、手荷物は前の座席の下にお入れください。」

「クッション言葉」がない場合と比べて、優しい印象になったと思いませんか?

シーン その2

機内でグループのお客様が大きな声で話していて、他の乗客の迷惑になっている場合。

「他の方もいらっしゃいますので、少し声のトーンを落としていただけませんか?」

間違いではありませんが、こちらのグループの乗客よりも他の乗客の方が大切、という印象を残してしまいかねません。

「お楽しみのところ大変申し訳ございませんが、他の方もいらっしゃいますので…。」

「クッション言葉」をつけることによって、グループのお客様も他のお客様も同じように大切ですよ、という印象を残しながら、注意を促すことができます。

また、「クッション言葉」の便利なところは、「静かにしてほしい」という言葉を言わなくても伝わることです。そうすることで、注意を受けた側も恥ずかしい思いをしなくて済みます。

シーン その3

機内で座席の変更を申し出られたが、希望の座席に空きがない場合。

「ご希望の座席はすべて埋まっております。 」

これだと、本当にそうなの?面倒だからそう言っているだけじゃない?との印象も与えかねないですよね。

「申し訳ございませんが、あいにくご希望の座席はすべて埋まっておりまして…。」

「クッション言葉」を挟むと、「申し訳ない」という気持ちが伝わりやすく、相手にとっても、それなら仕方ないね、と受け入れることができます。

 

このように、同じことを伝える場合でも、「クッション言葉」を挟む場合と、そうでない場合では、大きく印象が変わってくることがわかります。

そして、「クッション言葉」を使う時に大切なのが、表情と態度です。どれだけ上手に「クッション言葉」を使っていても、表情と態度が伴っていなければ、感情は伝わりません。早口や棒読みは、ただ相手を不快にさせてしまうだけです。ゆっくりと丁寧に相手の顔を見て伝えましょう。自信のなさそうな態度は厳禁です。

また、同時に、誰が言うか、という点も重要になってきます。新人の頃にはどうしても対応しきれないクレームを頂戴して、フライトの間中、一人のお客様につきっきりになってしまうこともありました。そんな時、様子を見かねたチーフが、「大変申し訳ございませんが…」 とお話を聞きに伺うと、すんなりと「まあそう言うならいいよ」と、解決することもありました。

「あなたがそう言うならいいよ」という信頼関係がお客様との間に築けていないと、どんなに「クッション言葉」を連発しても意味がないのです。

感情を表現し、 感じよく、丁寧に相手に伝えるようにすることで、より効果を発揮するのが「クッション言葉」です。

CA流コミュニケーション術のまとめ

ビジネスシーンだけでなく、日常生活においても、伝えにくいこと、言いづらいことをお伝えしなければならない場面はよくありますが、少しでもよい印象を与え、今後の関係をより良いものにするためにも「クッション言葉」を使用して、コミュニケーション上手を目指しましょう。

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この記事を書いたCA(客室乗務員)は・・・

ca6桜子さん

海外の大学へ留学後、旅行やビジネスコミュニケーションの仕事を経験し、日系航空会社の客室乗務員へ。アジア・中東・欧州での生活経験あり。

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