客室乗務員時代に出会ったお客様とのエピソード

客室乗務員の仕事を通して数え切れないほどのお客様との出会いがありました。国内線乗務では、 1日3〜4便を担当することもあります。機材の大きさによってお客様の数も違いますが、多い時には1日に1000名を超えるお客様とお会いすることになります。

客室乗務員にとってはその日4便目のお客様であっても、お客様にとっては何ヶ月も前から準備してきた特別なフライトである場合もありますし、初めて飛行機に乗るという方もいらっしゃいます。フライトを利用するすべてのお客様にはそれぞれの背景や物語があり、それぞれのお客様の思いを乗せて飛んでいるということを忘れてはなりません。

数多くのお客様と出会った中でも心に残っているエピソードをご紹介します。

1 女の子からの手紙

夏休みや春休みなどの休みの時期になると、お子様のひとり旅が多くなります。ある日のフライトで、自分の担当区分に初めてひとりで飛行機に乗るという小学生の女の子がいました。とても緊張して不安そうな顔をしています。緊張をほぐし不安を和らげようと何度も話しかけてみるもののあまり効果がありませんでした。

その女の子は窓側の席に座っていて景色を眺めていたのですが、地図帳を取り出して雲の上の景色と見比べているようでした。「もう直ぐ富士山が見えるよ」と声をかけると、女の子は身を乗り出すようにして富士山を眺めていました。「空から見た富士山は想像以上に大きかった」という女の子はとても嬉しそうで、少しずつ心を開いてくれました。

天候やルートによっては真下に富士山が見えることがあり、その雄姿は何度見ても飽きません。小学生の女の子にとってはきっとさらに大きく見えたことだろうと思います。

飛行機を降りるとき、その女の子がそっと手紙をくれました。その手紙には、初めて空から見た大きな富士山と私の絵、そして「お姉さんみたいなCAになりたい」という素敵なメッセージが書かれていました。その女の子にとって、初めての空のひとり旅が特別なものとなったように、私にとっても忘れられないフライトとなりました。

2 目の不自由なお客様との再会

飛行機を利用するお客様の中には、お身体が不自由で特別なケアが必要なお客様もいらっしゃいます。

前にお会いした目の不自由なお客様が再度利用してくださった時のことですが、その日も前回と同じようにゲートまでお迎えに上がりお席にご案内しました。その時、そのお客様が、「前にも会った、○○さんだね」と声をかけてくれたのです。

声だけで覚えていてくださったのだというその時の嬉しさは、今も忘れることができません。

3 OJT中のお客様との出会い

OJT中には何度も失敗を繰り返し、時にはお客様にご迷惑をおかけしてしまうこともありました。訓練生だからということは言い訳にはなりません。飛行機に乗ってお客様に接している以上、お客様にとっては他の客室乗務員と同じなのです。

ある時、また同じ失敗をしてしまい「どうしてこんなに出来ないのだろう」と落ち込みながら飛行機を降りるお客様を見送っていると、あるお客様が 「あなたは大丈夫よ、頑張ってね」と声をかけてくれました。すごく嬉しくてこらえていた涙が出てしまったほどでした。

それから1年ほどして機内でそのお客様に再会しました。失礼なことにOJT中の私にはお客様の顔を覚えるほどの余裕がなく、その方に再会してもわからなかったのです。それにもかかわらずお客様の方は私のことを覚えていてくださり、声をかけてくださったのです。その瞬間にOJTの日の記憶がよみがえり、あの時本当に嬉しかったのだという感謝の気持ちを伝えることができました。

まとめ

客室乗務員の仕事は、限られた空間と時間の中で多くの人の出会いがあります。お客様にとって思い出深いフライトとなるよう日々のフライト業務に臨みながらも、人の温かさや優しさに触れて元気をいただいているのは客室乗務員の方かもしれません。そして、お客様からいただいた温かさや元気をまたお客様に届けられるようにすることが、客室乗務員のやりがいなのだと感じます。

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この記事を書いたCA(客室乗務員)は・・・

ca6桜子さん

海外の大学へ留学後、旅行やビジネスコミュニケーションの仕事を経験し、日系航空会社の客室乗務員へ。アジア・中東・欧州での生活経験あり。

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