接遇の基本である言葉遣い。「クッション言葉」を使用することで、相手に不愉快な思いをさせることなく、伝えにくいことや言いづらいことを印象よくお伝えすることができるというお話をしました。
参考:コミュニケーション上手になれる!CA流「クッション言葉の使い方」
お様が搭乗されている機内では、英語を使用するシーンも多々あります。日本語のような敬語表現がないと思われがちな英語でのコミュニケーションですが、実はその言い回し次第で、より丁寧な英語を話すことができます。
今回は、機内でよく使用する英語の丁寧な言い回しをご紹介します。ビジネスでも日常生活でも使える英語表現ですので、ぜひ参考にしてみてください。
1.呼びかける
機内で多くのお客様にお会いする客室乗務員ですが、ファーストクラスやビジネスクラスではお客様名前にそれぞれMr. /Mrs. をつけてお声をおかけします。しかし、エコノミークラスでの接遇においては、特別なケアが必要な方を除いて、お客様ひとりひとりの名前を呼びかけることは困難です。
相手の名前がわからない場合にお声をお掛けする際、
- 「Welcome aboard, Sir.」(ご搭乗ありがとうございます。)
- 「May I help you, Ma’am?」 (いらっしゃいませ。)
- 「Sir, what would you like to drink?」(何をお飲みになりますか?)
というように、男性の場合は「Sir」、女性の場合は「Ma’am」を使用します。
もともと「Sir」という敬称は英国おいて勲位の称号のひとつとして使用されてきました。現在では広く一般的に目上の男性に対する敬称としても使用されています。
「Ma’am」や、そのもととなっている「Madam」は、その女性を成人女性として敬う意味が込められ使用されていますが、若い女性には敬遠されることもあり、成人されていない女性や未婚女性であることがはっきりとわかっている場合には、「Miss」を使用することもあります。
2.承る
「ブランケットをください。」「お水をください。」このように、機内ではお客様から様々なリクエストをいただきます。その際、日本語では「かしこまりました。」「承知しました。」という言葉を使いますが、英語ではどうでしょう。
「Okay.」「Sure.」とフランクな返答でも間違いではありませんが、やや丁寧さに欠けます。相手を尊重する意味合いも込めて、
- 「Certainly.」
- 「Absolutely.」
が、日本語の「かしこまりました。」「承知しました。」に近い表現となります。
また、ビジネスクラスやファーストクラスなどでは、「少し休みたいから○時に起こしてくれる?」というようなリクエストもあります。こう言った個人的なお願いの場合には、「はい、喜んでお受けいたします。」という意味合いの
- 「I would be happy to.」
- 「With pleasure.」
を使用するとスマートです。
3.謝罪する
お客様からリクエストをいただいた場合でも、時にはご要望に沿うことができずお断りしなければいけないこともあります。また、時にはクレームを頂戴することもあり、謝罪が必要な場面もあります。
「謝罪する」という英語表現には、カジュアルな言い回しの「Sorry」と、よりフォーマルな意味合いを持つ「Apologize」があります。
例えば、席の移動をしたいというリクエストに答えることができない場合、
- 「I’m sorry, but there are no seats available on this flight.」(申し訳ありませんが、他の席をご用意することができません。)
という言い方ができます。
また、遅延などによりお客様にご迷惑をおかけしてしまった場合など、これよりさらに深い謝罪が必要な場合には、「非常に」という意味の「terribly」をつけて、
- 「We are terribly sorry for the inconvenience.」(ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。)
さらに強調してお詫びを申し上げたい場合には、「Sorry」ではなく、よりフォーマルな意味合いを持つ「Apologize」を使用し、
- 「We apologize for the inconvenience.」(ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申しあげます。)
- 「Please accept our apologies.」「We sincerely apologize.」(心よりお詫び申し上げます。)
となります。謝罪が必要な場面では、そのアプローチ方法、言い回しによっては、相手にさらに不快な思いをさせてしまうことになりかねません。真摯に対応することに加えて、最初の一言が大切になりますので覚えておくと役立ちます。
まとめ
いかがでしたか。今回は、機内で使用する頻度の高い丁寧な英語表現をご紹介しました。
カジュアルな表現は知っているけど、ビジネスにおいて使用することができる英語表現と言われるととっさに思い浮かばないということもあるかもしれません。相手や場面によって表現を使い分けることで、よりスマートな印象を与えることができますので、ぜひ使ってみてください。
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この記事を書いたCA(客室乗務員)は・・・
桜子さん
海外の大学へ留学後、旅行やビジネスコミュニケーションの仕事を経験し、日系航空会社の客室乗務員へ。アジア・中東・欧州での生活経験あり。