CAを目指す大学生や社会人から多くの質問を受けるエアラインスクールですが、中でも最もよく聞かれる質問は、「CAになるためにはどうしたらいいの?」という質問です。
「将来CAを目指したいと考えているけれど何からはじめたらいいかわからない。」という人が実は大半でCA受験に不安を抱えている人が多くいます。また、CAになるためには特別な学歴や経歴が求められるのではないか?というイメージを抱いている人も多くいます。CAが人気の職業である故に採用試験突破の倍率が高くなる傾向がありますが、採用試験も一般の採用試験とそれほど異なることはありません。
この記事では、元JAL CAの講師が「CAになるにはどうしたらいいのか。」を徹底的に解説&アドバイスします。「CAになるためにはどうしたらいいの?」「CA受験には特別な対策が必要なの?」「CA受験は競争率が高いのでは?」と言ったさまざまな疑問に答え、これからの就職活動の参考になる内容となっています。
CA採用試験を突破するためには事前の情報収集や仕事への理解が大切です。新卒でCAを目指す人も社会人からの転職を考えている人も、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を書いたエアライン講師
元JAL CA エアライン講師:CAコンシェルジュ校長 乾
東京の女子大を卒業後、JALの客室乗務員として国際線・国内線ともにフライトを行い、機内販売推進担当、安全推進担当リーダーとして幅広く活躍。
CAを目指す方と女性としてより輝きたい方の応援をするため、エアラインスクールCAコンシェルジュを設立。
1.CAになるためのルート
CA採用試験では多くの航空会社が一定の学歴の条件を設けています。日系航空会社を受験する場合と外資系航空会社を受験する場合では学歴の条件は多少異なりますが、高卒・短大卒・大卒などのように一定の学歴が必要になる場合がほとんどです。では、CAになるためのルートを解説していきます。
1-1 大学を卒業して新卒でCAを目指す
学生からCAを目指す人に最適で最もCAになれる可能性が高いのが四年制大学を卒業して新卒でCA採用試験を受けるルートです。日系航空会社は毎年新卒見込みの学生を一定数まとめて採用を行なっています。毎年、一定数の採用がありますので在学中に時間をかけて準備をすることができるため採用の可能性が最も高くなっています。
CA採用試験の応募に際して学部や学科の制限はありませんが、過去の実績から有利と思われる大学や学部はあります。例えば、外語大学などの語学系の大学や過去にCA合格実績がある大学がこれに当たります。これは、CAの採用試験で求められている最低限の英語力を在学中に習得できることと、CA合格者である先輩訪問や航空業界に特化したセミナー等を開催していることがあり、航空業界の情報収集や就職活動の体験談に触れる機会が多く設けられているからです。
CAを目指してこれから進学先を決める場合には、このような点を踏まえて大学や学部を選ぶと良いでしょう。
1-2 専門学校を卒業して新卒でCAを目指す
日系航空会社をはじめ多くの外資系航空会社のCA採用試験は専門学校卒以上で応募することができます。そのため、専門学校は最短でCAを目指したいという人に向いています。
専門学校には航空業界への就職を目指すエアライン課が設けられている航空専門学校も多く、このような学校ではエアライン受験に特化した授業を受けることができます。また、専門学校では同じ目標を持った仲間が多く集まるため切磋琢磨しながらCA受験を目指すことができるというメリットがあります。ただし、エアライン科のある航空専門学校からCAが特別多く輩出されているというわけでもなく、また将来的に転職やキャリアアップを考えたときに学歴がネックになってしまうこともあります。そういった理由から専門学校に進学した後に親御さんからご相談を受けるケースもありますので、進路選びに迷っていたらぜひ当スクールの講師に相談してください。
1-3 既卒(中途)でCAを目指す
転職でCAを目指したい人、外資系航空会社のCAを目指したい人には既卒(中途)採用というルートがあります。航空会社の既卒(中途)採用は、通年で募集があるため誰にでもチャンスがあります。
ただし、仕事をしながらの採用試験対策や受験日程の調整をしなければならないためタイミングが重要になります。金融(銀行・証券)や医療業界(看護師)、アナウンサー、一般企業から実際にCA転職したケースも多く見受けられます。中でも、接客・サービス業などの経験が生かせる職種からの転職成功率が高くなっています。
1-4 グランドスタッフからCAを目指す
上記3つのルート以外にも同じ航空業界であるグランドスタッフからCAを目指すというルートもあります。特に、既卒(中途)でCAになれるパターンで多いのがグランドスタッフからCAになるケースです。同じ航空業界、接客業という経験を生かして自己PRすることができ、航空業で培ったノウハウや専門知識を直接生かすことができるためグランドスタッフからCAを目指す人も多くいます。
新卒の際にCAの募集がなかったり目指す航空会社でのCA採用試験がなかったりする場合でも、グランドスタッフからCAを目指すことができるということも考えて進路を選ぶと良いでしょう。
2.CAになるにはどの学校や学部が有利なのか
専門学校、短大、四大の卒業者で割合として最も多くCAを輩出しているのは四大です。
CA採用試験に応募する際に学部や学科の制限はありません。しかし、実績としてCA内定者を多く輩出している大学や学部というのはあります。中でも特に多いのが、国際・語学系学科など日頃から国際知識や語学に触れることができる学部です。しかし、これ以外の学部出身者でもCAとして活躍している人はたくさんいますので、学部・学科にこだわる必要はありません。また、かつてはCA内定者には女子大卒が多い印象でしたが、最近ではそのようなことはなくなっています。
2-1 専門学校より大学
エアライン課や旅行課などの専門学校からCAを目指すとCA合格率が高いような印象を受けるかもしれませんが、実際は専門学校より四大卒でCAになっている人の方が圧倒的に多いです。
決して専門学校が四大に劣っているというわけではありませんが、2年間で集中してCAを目指すより4年間の学生生活を有意義に使い、サークル活動やアルバイト、留学などさまざまな活動に力を入れ幅広い知識を身につけられるということも四大卒のCA合格者が多い理由のひとつであると考えます。また、大学に通いながらエアラインスクールで受験対策を行っているという人もたくさんいます。
なお、一部の専門学校では短大卒と同等の学位も取れないことがあるため、一部の外資系航空会社などでは受験資格を満たせない場合があります。そのため専門学校卒業後に通信の短大に通いながらCAを目指すという人もいますので進路選択の際にはその点も考慮しておきましょう。
2-2 CAになりやすい大学
CAを目指すためには四大卒が有利といっても、実際どの大学を目指せば良いかわからないという人も多いと思います。例年CA内定者が多いという実績がある大学は大学ランキングなどの情報を検索すると見ることができます。
例えば、2019年度の採用実績では関西外語大学が1位で120名のCA内定者を輩出しています。この大学にはCAに特化したエアライン学科のような学科やコースはありませんが、現役のCAと会って話せるオープンキャンパスなど将来への夢を膨らませるような企画を開催しており、現役CAの経験談や体験談に触れることで学生のやる気を引き出しCA内定へとつなげています。2位の青山学院大学(77名)には、CA養成のためのインターンシップ「カンタス航空CA体験プログラム」がありオーストラリアのカンタス航空本社で就業体験に参加できます。またこの就業体験は単位認定されているため、自己PRでしっかりとアピールできるのも強みになっています。また、これらのランキングを見るとかつては上位を占めていた女子大が少なくなっており、女子大卒のCA内定者が多いということはなくなっているのが分かります。
参考:https://dot.asahi.com/dot/2019122400064.html?page=1
2-3 CAになりやすい学部・学科
では、次にCAになりやすい学部や学科があるのかについて解説します。CA採用試験では応募できる学科や学部に制限はなく、現役CAとして活躍している人はそれぞれ異なる学部や学科を卒業しています。
しかし、CA採用試験の応募要項では一定の英語力を求められるため、日頃から外国語や外国文化に触れることができる国際・語学系学科からCAになっている人は多いですが、実際には理系学部卒でCAとして活躍している人もいます。国際・語学系学科では、語学留学やホームステイなど在学中に海外での生活を体験しながら英語力を磨ける機会が設けられていたり、中にはエアラインコースのようなサマースクールが開催されたりする大学もあるため進路選択の際に国際・語学系学科を選んでいる学生が多いのも事実です。
客室乗務員(キャビンアテンダント)になれる確率が高い大学は、関西のあの学校だった!?3.CAになるには条件がある?
CAになるためには何か特別な資格や条件が求められているのか、誰もが気になるところですよね。結果からお伝えすると、CA採用試験の応募要項は一般企業のそれとほぼ同等で、特に何か特別な資格が必要なわけではありません。しかし、CAはサービス業でありながら機内の安全を守る保安要員でもあります。そのためにある一定の条件が求められていることはありますので、その条件について見ていきましょう。
3-1 身長
CAというと高身長でなければならないという印象を持っている人も多いと思います。現在、日系国空会社の応募要項では身長に関する記載はなく、人物重視の採用活動を行っています。実際に、153cmや154cmという身長でもCAとして活躍している卒業生もいますので、150cm台だからといってCAになるのを諦める必要はありません。
しかし、外資系航空会社の場合には応募要項に身長制限の項目が記載されている航空会社が多くあります。外資系航空会社では一般的に160cm以上であるか、または手を伸ばした状態で一定の高さに手が届くことを目安とするアームリーチに条件がある場合が多く、これは機内の手荷物収納棚の開閉やその中に収納されている装備品の出し入れを問題なくできるという必要があるからです。安全上の理由から設定されている条件ですので、採用試験に際し厳密に身長を測定する航空会社もあります。ただし、これらの条件は、航空会社の運航している機材の大きさによっても異なりますし、また着用するヒールの高さでカバーできる場合もありますので、身長に不安がある人は各航空会社の募集要項を調べてみるようにしましょう。
キャビンアテンダントに身長制限はある?航空会社ごとに身長制限は異なる? キャビンアテンダントになるための条件は? 〜気になる身長や外見・英語力など〜3-2 年齢
CAを目指す人にとって最も気になるのが年齢制限ではないでしょうか。特に既卒(中途)で応募する場合には年齢制限が気になってしまうという人が多いように感じます。しかし、現在日系航空会社では募集要項に年齢に関する記載はありません。既卒(中途)で応募する場合にも30代で初めてCAになったという人もいますし、他の航空会社からの転職の場合には経験値の高い30代後半での合格者も多数出ています。年齢よりも人柄や経験など人物重視の採用が行われていることがわかります。
外資系航空会社の場合には、年齢制限を設けている航空会社がありますが、これは若い人材を採用し長く勤務してもらえるような体制を整えたいという理由だけでなく、国の法律や労働ビザの取得に関わる一定条件といった事務的な部分で必要になる場合もあります。そのため、年齢の上限制限だけでなく「18歳以上〜」や「21歳以上〜」という下限制限が設けられている航空会社もありますので、採用情報を確認するときには自身でしっかりとチェックするようにしてください。
3-3 英語
CAになるために必要な条件は英語力です。英語力は身長や年齢の制限とは異なり日系航空会社でもはっきりと指標が示されています。
日系航空会社で最低限必要となる英語力の目安はTOEIC600点。または、国際線への就航がない地域密着型の航空会社の場合でTOEIC550点となっています。採用試験では英語力証明書の提出やの英語試験、英語での面接が行われますので最低でもTOEIC600点程度の英語力の習得は必須となっています。
また、採用試験、訓練、フライト中のコミュニケーションも全て英語で行う必要がある外資系航空会社の場合には、地域によって差があるもののTOEIC650点〜TOEIC730点程度とさらに高レベルの英語力が求められます。中には、TOEICの点数ではなく「英語が堪能であること」という条件が求められている場合もあり、実際にはビジネス英語レベルの英語力が必要となります。
英語以外にも、外資系航空会社の場合には現地の外国語(第2外国語)ができると尚良いとされている場合もありますので、英語だけでなく他の言語の習得にも力を入れるとCA採用試験でアピールすることができます。
客室乗務員になるためには、英語力はどのぐらいのレベルが求められますか?4.CAになるにはどのような採用試験がある?
ここまでCAになるためのルートや条件について解説してきました。この項では実際のCAの採用試験の流れ(選考ステップ)について紹介します。
CAの採用試験は一般企業の採用試験の流れ(選考ステップ)とほとんど変わりません。しかし、人気の職業であることから多くの応募があるため倍率は高くなっています。特に既卒(中途)採用や外資系航空会社の日本人CA採用試験は採用数が少数であることから結果としてより高い倍率になっていることがあります。
4-1 CA採用試験の流れ(選考ステップ)
CA採用試験の流れ(選考ステップ)は、まず第一ステップとしてWEBでのエントリーシート提出、総合適性検査受検、英語試験受検を行って書類選考が行われます。
次にのステップとして面接や身体検査などが行われます。面接の回数は航空会社によっても異なりますが、グループ面接、グループディスカッション(グループワーク)個人面接など数回の面接を経て最終個人面接となります。日系航空会社の場合はこの中に英語面接が含まれていることもあります。
外資系航空会社の場合には最終面接以外はテレビ電話での面接となったり、自己紹介を動画で撮影したりと一般企業とは少し異なる点もあります。また、動画撮影は近年ANAの初期選考でも取り入れられており、これまでの書類選考では見えにくかった雰囲気や印象を伝えやすくなっている反面、動画が苦手な人にはしっかりとした対策が必要になるなど採用試験の流れ(選考ステップ)も時代とともに少しずつ変わってきています。
4-2 倍率
CAの採用試験の倍率というと一般企業のそれと比べて高い傾向にあるというイメージを持っている人も多いと思います。一般的に言われているCA採用試験の倍率は約100倍。例えば、採用人数が50名のところに1000名の応募があると倍率が100倍となるわけですが、最近では新卒採用で数百人単位での採用を行っている航空会社が増えているため新卒の採用試験の倍率はこれより低くなっています。
既卒(中途)採用は新卒採用に比べると1回の採用試験で採用される人数が少ないため、倍率が高い傾向は続いています。しかし、しっかりと受験対策をしておけば倍率に関わらず合格する可能性は高まりますので、CA受験対策に強いエアラインスクールを活用しながらCA採用試験に挑むという方法もあります。
客室乗務員(CA)になるための倍率・難易度ってどのぐらい?4-3 CAならではの採用試験
CAの採用試験の流れ(選考ステップ)は一般企業の採用試験の流れと大きく異なることはありませんが、エントリーシートを提出する際に全身の写真を添付や自己紹介動画の提出、英語面接試験などCA採用試験ならではのポイントもあります。
そのため、CA採用試験対策に特化したエアラインスクールに通い受験対策を行う就活生も多くいます。倍率の項でもお伝えした通り、CAならではの採用試験はしっかりと受験対策を行うことで合格に近づくことができます。そのため、限られた時間を有効に使って業界研究やCA受験対策ができるエアラインスクールの活用も考慮してみると良いでしょう。
キャビンアテンダントの採用試験はどのような内容?流れや条件を知って募集に備えよう!5.CAになるには必要な能力があるのか
CAとして乗務している人は皆とても魅力に溢れて素敵に見えますよね。そのため、CAになるためには何か特別な資格やスキルなどが求められているのではないかと考える人も多いようですが、実はそうではありません。
CAの採用を行っている担当者は「人物重視の採用を行っている」と口を揃えます。CAはその職務で日々多くのお客様と接します。上空・機内という限られた空間で何時間もの時間をお客様と過ごす職務はCA以外にありません。CAになるために特別な資格やスキル、条件が求められているわけではありませんが、兼ね備えているとCAという特殊な職務に適性があると感じてもらえる能力はいくつかありますのでご紹介します。
5-1 コミュニケーション能力
CAに適性があると感じてもらえる能力の一つ目は、コミュニケーション能力です。長時間にわたってお客様ひとりひとりの気持ちを汲み取りながら適切な距離感を保ってサービスを提供するためには、コミュニケーション能力は必須です。また、CAは毎日同じメンバーで乗務するわけではなく、初対面のメンバーと乗務を共にすることがあります。他にもパイロットやグランドスタッフなど異なる職種のメンバーとも連携しなければなりません。そのため、誰と乗務を共にしても同じパフォーマンスを発揮できるコミュニケーション能力が必要になってきます。
5-2 おもてなし
CAに適性があると感じてもらえる能力の二つ目は、おもてなし能力です。CAの大切な職務のひとつであるおもてなし。CAとして乗務するためには機内という特殊な空間でお客様に快適な時間を過ごしていただくためのおもてなし能力や接遇スキルは欠かせません。しかし、おもてなし能力や接遇能力はCAの初期訓練でもしっかりと身につけることができますので、受験時に持ち合わせなくても心配は要りません。ただし、相手を思いやる気持ちや相手の立場に立った行動など普段当たり前と感じるところにもおもてなし能力は隠れています。日々の生活で少し気をつけるだけでその能力を引き出すこともできますよ。
5-3 行動力
CAに適性があると感じてもらえる能力の三つ目は、行動力です。CAに適性があると感じてもらえるコミュニケーション能力やおもてなし能力を最大限に発揮するためにも行動力は不可欠です。どんなときでも迷わず行動できる行動力はCAとして活躍する上で欠かせません。CA採用試験においても行動力があるか否か、エントリーシートの自己PRや面接試験でも見られていますので、普段の生活においても意識しながら過ごしてみるようにしましょう。
6.CAになるための対策・ワンポイントアドバイス
ここまでCAになるためにはどうすればいいかについて解説してきました。ここからはもう一歩踏み込んでCAになるための採用試験対策について、日系航空会社CA、外資系航空会社CA、LCCで求められるものについエアライン講師からワンポイントアドバイスを行いたいと思います。
6-1 JAL/ANAのCAになるためには
日系航空会社で堂々の人気を誇るJALとANA。CAを目指すならJALかANAのCAになりたい!という人も多いと思います。
JALとANAのCAを目指すにはまずそれぞれの企業研究に力を入れることが大切です。航空会社に関わらず企業にはコーポレートカラーというものがありこれは企業の印象を語る上で欠かせません。JALでもANAでも同じCAという職務であっても、それぞれの企業が求めている人材像は決して同じではないのです。そのため、まずはしっかりと企業研究を行い企業がどんな分野に力を入れているのか、今後の展望はどうかなど企業の進む方向性を把握し、求められている人材像を理解することが大切です。その上で、なぜJALやANAのCAになりたいのか、学生時代の経験をどのようにこの企業で生かせるのかといった自己PRの作成に力を入れると良いでしょう。また、JALやANAではTOEIC600点程度の英語力が求められています。これは応募要項にも書かれており必須となっています。学生のうちに対策をとりながら語学学習に力を入れて、最低限必要とされている英語力の習得を目指すようにしましょう。
6-2 外資系CAになるためには
外資系航空会社は日系航空会社と異なり国籍の違う同僚と乗務を共にすることになります。そのため外資系航空会社CAには、言語の違いだけでなく文化背景の違い、宗教や習慣の違いなどさまざまな分野においての協調性と広い理解力が求められます。また、採用試験、訓練、職務のすべてで英語でのコミュニケーションが必要となりますので、高い英語力が求められています。英語が苦手という人はまずどの程度の英語力が求められているのかを知り必要とされている英語力の習得に力を入れ、英語面接対策をしっかりと行いましょう。ベースとなる国が英語圏以外の場合には現地の言語ができると尚良いとされています。それはその国の文化や習慣などを理解する上でも必要なことだからです。また、外資系航空会社CAの採用試験は不定期で行われることが多いため、いつ採用があっても慌てないよう常に準備を整えておく必要があります。
6-3 LCCで求められること
最近日本でも増えているLCCのCAになりたい人はLCCならではの運航モデルや職務内容を知る必要があります。LCCは同じ機体を一日に何度も運用することによって回転率を高めて利益を上げると仕組みで成り立っています。そのため、乗務パターンも特殊で職務内容も多岐に渡ります。しかし、さまざまな職務を経験できることやキャリアアップが早いこと、比較的新しく規模の小さい会社が多いことで一人一人のアイデアや意見が形になりやすいという魅力的な特徴もあります。「なぜJALやANAではなくLCCなのか。」ということも採用試験でよく聞かれる質問となっています。企業研究を徹底的に行い、なぜLCCのCAになりたいのかをアピールできると良いでしょう。
7.CAになるために大切なこと
先の項でCAになるためにの学歴や条件、採用試験の対策について解説してきました。もちろんこれらのことはCA採用試験を突破するために重要なことですが、学歴や条件、採用試験の対策以外にもCAを目指すために大切なことがいくつかあります。
7-1 モチベーション
CAになるために大切なこと一つ目はモチベーションです。CAになるための道は決して簡単なものではありません。採用試験の倍率が高かったり、なりたいと思っている航空会社での採用がなかったりと厳しい経験をすることも少なくありません。しかし、CAになるという高いモチベーションを持ち続け、採用試験に落ちても前向きにチャレンジする気持ちを忘れないようにしましょう。これまでもタイミングが合わず新卒での受験ができなかった人、何度受験しても良い結果をもらえなかった人など辛い思いをした人でも、絶対にCAになる!という強い気持ちを持ち続けることでCAになれた人もいます。自分ではどうしようもない苦境で諦めてしまいそうになる人もいるかもしれませんが、モチベーションはすべてのベース。どんな時でも前向きにチャレンジする気持ちを持ち続けるようにしましょう。
7-2 仲間
CAになるために大切なこと、二つ目は仲間です。CAになるために一緒に夢を目指す仲間や同士がいると心強いです。中には仲間であっても最終的にはライバルにもなり得ると考え、ひとりでがむしゃらにCAを目指す人もいるかもしれませんが、やはり一緒の夢に向かって力を合わせて頑張れる仲間がいると心強いです。情報共有や面接の練習、意見交換など真剣にCAになりたいと思う仲間だからこそできることもあります。そして、やはり大切なのは家族のサポート。自分の良いところも悪いところも全部わかっている家族だからこそ理解を示してサポートしてもらえると大きなやる気につながります。そのためには「どうしてCAになりたいのか。」という自分の気持ちを家族にしっかりと伝えられることも大切ですね。
7-3 女性としての魅力・おもてなし力
CAになるために大切なこと、三つ目は女性としての魅力・おもてなし力です。多くの航空会社の採用担当者が語る「人物重視の採用」でも分かるように、CAになるためには一人の人間として魅力的な女性であることや豊かな人間性が重要視されています。機内で出会うお客様のために、日本を訪れる外国人のために、一緒に働く同僚のために、相手の立場に立って物事を考え、行動できる、そんな女性としての魅力とおもてなし力を磨くように普段の生活でも心がけるようにしましょう。
8.まとめ
いかがでしたか?CAになるためには何か特別な学歴や経歴、特殊な資格や条件が必要なのではないかと不安に感じていた人、これからCAを目指したいと漠然と思っていた人、今回の記事でCAになるためには何が必要が少しは伝わったでしょうか。
CAは人気の職業であるが故に「なるのが難しい」というイメージにつながっているのかもしれませんが、実は一般企業の採用試験や採用条件と変わりはなく、モチベーションを高く持ちしっかりと受験対策することで誰でも挑戦できる職業のひとつです。ひとりでは不安という人は、元CAの講師や現役CAの卒業生が多くいるエアラインスクールを利用するのもひとつの方法です。CA受験に詳しい講師と同じ夢に向かって頑張る仲間と一緒にCAを目指したいという人はぜひエアラインスクールに相談してみてくださいね。
この記事を書いたエアライン講師
元JAL CA エアライン講師:CAコンシェルジュ校長 乾
東京の女子大を卒業後、JALの客室乗務員として国際線・国内線ともにフライトを行い、機内販売推進担当、安全推進担当リーダーとして幅広く活躍。
CAを目指す方と女性としてより輝きたい方の応援をするため、エアラインスクールCAコンシェルジュを設立。
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