客室乗務員に必要とされる資質のひとつ、タイムマネジメント。
フライトの出発前から到着後まで、決められた時間の中で与えられた数々の業務を効率よく進めるためにもタイムマネジメント能力は客室乗務員に重要な資質として挙げられています。
客室乗務員を目指している人の中には、自分にタイムマネジメント能力が身についているのか、どうしたら身に付けることができるのか、と不安に感じている人もいるかもしれません。
でも、大丈夫。タイムマネジメント能力は、日頃から心がけることで誰にでも簡単に身に付けることができます。
そこで今回は、客室乗務員が実践しているタイムマネジメント術をご紹介したいと思います。仕事でもプライベートでも役立つ客室乗務員流のタイムマネジメント術、ぜひ参考にしてみてください。
タイムマネジメントとは?客室乗務員が時間管理が得意な理由
タイムマネジメントとは、日本語で言うと「時間管理」のこと。
航空会社では1本のフライトを時間通りに飛ばすために数多くの人が関わり、それぞれ決められた時間内に業務を行う必要があります。
客室乗務員は、フライトごとに起きる時間も違えば、路線も飛行時間も乗客数も異なり、さらに時差に合わせた生活のリズムを作るため、タイムマネジメントが欠かせません。
例えば、羽田〜伊丹線という約1時間のフライトに乗務する場合と羽田〜沖縄線という約3時間強のフライト に乗務する場合、同じ時間配分で業務を行っていたら羽田〜伊丹線では時間が足りなくなってしまいます。
時間が足りないとどうなるか。
フライトの遅延が起きて定時制が守れなくなってしまうだけでなく、機内でのサービスを十分に提供できないということにつながってしまいます。
そのため、客室乗務員はその日のフライトに合わせたタイムマネジメントを行っています。
時間術を効率的にアップできる5つのこと
では、実際に客室乗務員はどのようにタイムマネジメントを行っているのでしょうか。
仕事でもプライベートでも役立つ5つの時間術をピックアップして紹介します。
時計をまめに見る
客室乗務員は時計をまめに見る習慣が身についています。
飛行機が動き出す時間、飛行機が離陸する時間、機内サービスをはじめる時間、出発地の時間と到着地の時間など、客室乗務員はどんなときでも時間のチェックが欠かせません。
時計をまめに見て時間をしっかりと把握することで、何時何分にどのあたりを通過するか、着陸の時間まではどのくらいかを計算し、その間にしなければならないことの優先順位を考えながら時間配分を立てることができます。
また、保安要員としての使命がある客室乗務員は、緊急時や急病人が発生した際、何時何分に何が起き、何時何分にどのような対応をしたかなどの記録をする必要があります。
時計をまめに見る習慣をつけることは、タイムマネジメント術を身に付けるために最も重要な第一歩となります。
前日に翌日の予定をシミュレーション
客室乗務員は事前にシュミレーションすることで自分の行動の効率を上げ、無駄な時間を省くよう心がけています。
例えば、翌日のフライトのショーアップ時間、路線や天候をチェックし、フライトに必要な持ち物や衣類などを揃えることから、路線や天候に合わせた業務内容について、事前にシミュレーションするようにしています。
これは業務だけでなく日常のあらゆることにも言えることで、事前にシュミレーションしておくと、業務の効率を上げることができるだけでなく、頭も整理でき、自由に使える時間が増え、心の余裕にもつながります。
例え、予想外のことが起きても、時間や心に余裕があれば臨機応変に対応できるため、リスクを回避することもできます。
スケジュール帳やスマホで予定を把握
客室乗務員のスケジュールは月ごとに発表されます。
航空会社によってはクルーポータルのような自社ポータルでスケジュール管理ができることもありますが、自分のスケジュールをしっかり管理するためにもスケジュール帳やスマホのスケジュールアプリを用いて、フライトの予定とプライベートの予定を同時に管理することをおすすめします。
フライトのショーアップ時間やレイオーバー(ステイ)の時間、オフの日のタイムマネジメントのほか、月のフライトタイム等も一括管理できるクルー専用アプリもありますので、ぜひチェックしてみましょう。
フライトに合わせて逆算して行動する
客室乗務員が行っているタイムマネジメント術のひとつに、逆算して時間管理をするという方法があります。
客室乗務員はフライトごとに勤務時間が異なるため、ショーアップ時間の何時間前に起きて食事を済ませる、何時に家を出るなどと逆算して時間管理を行うことがポイントです。
また、機内での業務においても到着時間から逆算して計算し、何時までに食事のサービスを行い、何時までに機内販売を行う、何時までに休憩を回して、何時までに着陸の準備をするというように時間の管理をしています。
逆算して計算することで、どのくらい進んでいるのか、足りないことは何か等、進捗状況を確認できるだけでなく、全体的な時間から優先順位考えて行動することができ、無駄な行動を減らすことができます。
最短の手順で行動できる動線を組む
客室乗務員が身につけている時間管理術の中でも重要なのが最短の手順で行動できるシンプルな動線を組むということです。
限られた時間を最大限に有効活用して時間のロスを減らすためにも、どのような手順で行うと良いか、「事前のシュミレーション」と「逆算して計算する」を組み合わせ、効率アップを図る方法です。
国際線で使用する多くの飛行機の全長は約70メートルあり、たくさんのお客様がいる中で機内を行ったり来たりしていると、お休みになっているお客様の迷惑になるとともに、二度手間になったり、限られた時間を無駄にしてしまうことになります。
そこで、「行きの動線でこれを持っていって戻りの動線でこれを持ってこよう」や、「これをやるときにこれもまとめてやろう」など、常に頭を働かせながらシンプルかつ効率の良い動線を考えることで、最低限の動きでより多くの仕事をこなせるよう心がけています。
エアライン受験でも適性を見られている?
ちなみにその資質があるかをエアライン受験でもチェックされます。
例えば、グループディスカッションの中でタイムキーパーは勿論のこと、その他のメンバーの方も時計を見ながら進めていけるかなどを見られる試験もあります。
それだけタイムマネジメントが重要であり、採用の段階から適性をチェックされるということの表れでしょう。
まとめ
いかがでしたか?タイムマネジメント能力を高めると、仕事で周りからの評価が得られるだけでなく、家事や日常でも活かすことができます。
これから客室乗務員を目指す人も、普段から時計をまめに見るようにし、時間管理への意識を高めておきましょう。
また、客室乗務員の仕事では緊急事態などイレギュラーな事態遭遇することもあるため、常にリスクを考えて余裕を持って行動することも大切です。
ちなみに、客室乗務員がおすすめする腕時計は、秒針があるアナログタイプのもの。
これは機内で急病人が発生した際や急減圧が起きた際など、秒単位での時間管理が必要になることがあるからです。
ぜひお気に入りの時計をつけて、客室乗務員のタイムマネジメント術を実践してみてくださいね。
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この記事を書いたキャビンアテンダントは・・・
桜子さん
海外の大学へ留学後、旅行やビジネスコミュニケーションの仕事を経験し、日系航空会社のキャビンアテンダントへ。アジア・中東・欧州での生活経験あり。