今も昔も女性に人気のある職業のひとつであるキャビンアテンダント。
人気の割にはまだまだ知られていない部分も多いキャビンアテンダントのお仕事にまつわること。
仕事中にご飯を食べる時間はあるの?ステイ先では何をして過ごすの?など、お客様として飛行機に乗るだけでは分からないことが多いですよね。
今回はそんなキャビンアテンダントの知られざる裏話をご紹介します。
キャビンアテンダントのフライト中の食事は
機内でいつも忙しく働いているキャビンアテンダント。何時間にもわたるフライトの中、一体いつ彼女たちは食事をとっているのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
実は、キャビンアテンダントは食事をフライト中に機内でとることが多々あります。
機内にギャレーとよばれるスペースがあるのはご存じでしょうか。ギャレーとはキャビンアテンダントが飲み物や機内食サービスをするカートの準備をする場所のことです。そのギャレーにカーテンがかかっていて中が見えない状態になっているのを見たことがある方もいらっしゃるかと思います。
ギャレーで作業をするときは基本的にはカーテンは閉めた状態にしているのですが、その中では作業をしているだけではなく、順番に休憩をとって食事をしていることもあるのです。
もちろん、フライトと食事の時間が重ならない場合は、フライトが始まる前や終わってから食事をとります。複数のフライトに乗務する時は、便の間、つまり一つのフライトが終わって、次のフライトの準備中に食事をとることもあります。
ただし、フライト中であれ、便の間であれ、キャビンアテンダントが食事をとる時間はそんなに長くはありません。なぜなら、キャビンアテンダントの働く環境は、定時出発やお客様へのサービス品質を高めるため、1分2分を争う世界です。そのような中では食事の時間は5分さえとれないこともしょっちゅうあるのです。
しかし、食事をとらず空腹の状態のままフライトをしていると緊急時やサービスにおいて十分なパフォーマンスがとれません。そのため、これも大切なことととらえ、限られた時間の中で皆きちんと食事をとるのです。
英語はペラペラじゃないとダメなの?
キャビンアテンダントといえば、流ちょうに英語が話せるといったイメージもあるかと思います。
しかし、できるにこしたことはありませんが、必ずしもネイティブなみに英語が話せないといけないということはありません。
機内で英語を使う場面といえば、まず外国籍のお客様がご搭乗になる場合があります。お客様から英語で質問を受けることがあれば英語で答えなければなりませんし、こちらから手荷物の収納やサービスについてご説明をするときも英語でのコミュニケーションが必要です。
また、パイロットが外国人の場合は、航路情報など大切な情報が英語で伝えられることになりますし、こちらも機内の様子を英語で報告することになります。
他にも、機内アナウンスをする際にも英語が必要になります。
このように機内で英語を使う場面は非常に多いのですが、だいたいの場合マニュアルがあるので入社後にそれを参考に学習することができます。よく使うフレーズはメモにしていつも携帯しているキャビンアテンダントもたくさんいます。
ただし、マニュアルの中にないケースも機内では多々起こりますので、英語力はあるに越したことはないのはいうまでもありません。
航空会社にもよりますが採用基準として、だいたいTOEIC600点程度が求められているため、少なくともその基準はクリアしておく方がいいでしょう。
※こちらも参考にご覧ください♪ キャビンアテンダントになるためには、TOEICはどのぐらいの点数が必要?
フライト先はどう決まるの?
フライトは路線によって客層もフライト時間やサービス内容も大きく異なります。できることなら自分の好きな路線ばかり乗務できればと思ってしまいますよね。
しかし、残念ながらフライト先は自分で選ぶことはできません。
フライトスケジュールは会社のスケジュール調整担当者が全て決め、たいていの航空会社では月末に翌月のスケジュールが発表されます。基本的にはそのスケジュール通りに勤務することになりますが、急な欠勤が入ったり、天候不良で欠航があったりすると、当日に突然フライト先が変更になることもあります。
外資系航空会社の中には、希望すれば同僚と勤務を交代できるなどスケジュールに関してより柔軟に対応してくれる会社もあるようです。
美人じゃないとキャビンアテンダントにはなれないの?
キャビンアテンダント イコール 容姿端麗なイメージを持っている方もいるかもしれません。
しかし、とびきりの美人でなければキャビンアテンダントになれないといったことはありません。
確かに、キャビンアテンダントは航空会社の顔ともいえる存在で、彼女たちが各会社のイメージを決めるといっても過言ではありません。だからといって、美人であればいいかといえばそうではありません。
キャビンアテンダントに求められることは、お客様に安心感や快適な空間を提供できて、またこの会社の飛行機に乗りたいと思っていただけるサービスができることです。
そのためには美人であることが必要でしょうか?そうではないと思います。
必要なのは接客にふさわしい言葉遣いや立ち居振る舞いができること。そして何より大切なのは笑顔です。
機内で観察してみてください。どのキャビンアテンダントも機内では常に素敵な笑顔でいるはずです。キャビンアテンダントは、機内のどのようなシーンでも決してお客様に真顔は見せません。たとえそれがギャレーでの作業中であったとしてもです。
機内ではいつどこでお客様から見られているとも分からないため、常に笑顔でいることが求められます。笑顔が素敵な人はそれだけで周りの雰囲気を良くしますよね。
そのため、美人であるよりも、お客様に安心や快適さを感じていただけるような素敵な笑顔を常にキープできることが大切です。
ただ、歯並びに自信のない方は素敵な笑顔のためにも、歯列矯正はしておいて損はないと思います。
他にも、肌荒れなどが目立つようですと不健康に見られかねないので、規則正しい生活やお肌にあったスキンケアをして改善しておくといいでしょう。
キャビンアテンダントもフライト中に仮眠してるの?
国内線であれば、先ほどご紹介したとおり、機内で食事をとることはあっても仮眠をとるということはありません。それは、国内線の場合は深夜にまたがり睡眠が必要となるような時間帯のフライトがないためです。
最終便のフライトなどで勤務終了時間が22時頃になるような日もありますが、そういう日のスケジュールはそもそも勤務開始時間が遅いため、長時間労働や寝不足になるといったこともありません。
その上、フライト終了時刻から翌日のフライト開始時刻までは必ず既定の間隔をあけて毎日のスケジュールが組まれているため、帰宅後十分な睡眠をとることができます。
ただし、国際線の場合は国内線と違ってフライト時間が10時間を超えることもありますので、フライト中に仮眠をとることもあります。飛行機の中にはキャビンアテンダントが仮眠をとるためのスペースがあるため、そこで交代で仮眠をとるのです。
芸能人が乗ってきたら気づく?その時の対応は?
飛行機はあらゆるお客様が利用されるため、もちろん芸能人などの著名な方がお客様としてご搭乗されることも多々あります。サングラスや帽子などで変装されている方や変装されずにご搭乗される方などいろいろな場合がありますが、たいていの場合著名な方であると気付きます。
なぜなら、保安とサービスの両面からキャビンアテンダントはすべてのお客様のお顔を確認するからです。体調の悪そうな方や挙動不審な人はいないかなど様々な観点からお客様を観察しているので芸能人だと気付くことができるのです。
ただし、芸能人だと分かったからといって他のお客様と特に違った対応をするということはありません。通常は他のお客様と同じように接します。もちろんサインを求めたりなどしませんよ。
しかし、時には著名な方が機内にいらっしゃるということに他のお客様が気づくことがあります。中には写真やサインを求めるお客様もいらっしゃいます。他にも、席が近い場合、しきりに話しかけたりする方もいらっしゃいます。
そのような中ではゆっくり過ごしていただくことができないため、快適に過ごしていただけるようキャビンアテンダントが配慮をする必要があるのです。
以上、キャビンアテンダントの裏話をご紹介しました。
キャビンアテンダントのお仕事に一層興味を持っていただけるきっかけとなれば幸いです。
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この記事を書いたCA(客室乗務員)は・・・
彩夏さん
大学を卒業後、国内大手ホテルにて三年間勤務。その後、外資系の航空会社の客室乗務員を二社経験。機内での日英通訳として勤務した経験も持つ。