エアライン受験生は知っておきたい!航空業界の「2030年問題」とは?

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エアライン受験生は知っておきたい!航空業界の「2030年問題」とは?

客室乗務員をはじめ航空業界への就職を目指す学生の皆さんは、就職試験の受験に向けて日々様々なニュースに耳を傾けていることと思います。

最近よくニュースでも取り上げられている「20XX問題」。日本で開催される東京オリンピックとともに注目されている2020年問題や、さらにその10年先を見据えた2030年問題など、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

日本の社会に大きな変化をもたらすとされている2030年問題ですが、実は日本の航空業界にもそれと同じほど大きなインパクトを与えると言われている2030年問題が存在します。

そこで今回は、日本の航空業界の2030年問題について取り上げてみたいと思います。航空業界を目指す上で頭に入れておいてほしい内容となっていますので、ぜひチェックしてみてください。

2030年問題とは?

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2030年問題とは、日本の人口の1/3が高齢者(65歳以上)になるという超高齢化社会が訪れ、それにともない様々な問題が引き起こされることを指します。

特に、GFP(国内総生産)の低下に直結する大きな問題として若い世代の働き手が減少するということが挙げられています。若い世代の働き手が減少するということは、様々な業種において人材不足が厳しい問題となってきます。

中でも、次世代の育成に多大な費用と時間がかかることで知られるパイロットが足りなくなると言われているのが、2030年。

このままいくと、現在活躍しているパイロットの多くが定年退職を迎える2030年頃には豊富な経験と能力を持った機長クラスのパイロットがいなくなってしまうとも言われています。

それが日本の航空業界の2030年問題です。

航空業界の2030年問題とは?

エアライン受験生は知っておきたい!航空業界の「2030年問題」とは?

パイロット需要が増加

アメリカボーイング社は、 2017年から2036年までの間に世界中で約64人の新規パイロットの需要が見込まれると発表しています。

中でも、日本を含むアジア太平洋地域では航空旅客の需要が飛躍的に伸びると予想されているため、約25万人の新規パイロットが必要とされています。

日本国内だけを見てみると、2017年における日本のパイロット数は約5700人。

国土交通省が発表した試算では、今後5年間で不足するパイロットの数は1000人から1500人としており、想像以上に需要が高まっていることがわかります。

LCCの台頭、観光客の増加、航空機の小型化/中型化

パイロットの需要が高まっている背景には、LCCの台頭や航空旅客の増加が挙げられます。

LCCは、運航機種を単一機種へ統一、機種の小型化や中型化、機内サービスの簡素化など、航空機の運航に関わる様々なコストを大幅に削減することにより低運賃での運航を可能としています。

これまで航空機を利用したことがなかった新規需要層の取り込みに成功したほか、誰もが気軽に航空機を使って出かけることができるようになり、航空旅客は大幅に増加しました。

日本国内に登録があるLCCにおいても、機材数の増加、就航地や就航便数の拡大にともなってパイロットの引き抜きや採用が頻繁に行なわれている現状にあり、今後需要はさらに高まる見込みです。

経験が豊富なパイロットの退職

現在、日本の空の安全を支えるパイロットの年齢層は40代後半から50代前半に偏っています。

この年代のパイロットは多くの経験を積んだ機長クラスがほとんどで、その機長クラスのパイロットが毎年250人規模で退職を迎えるとされているのが2030年頃。

つまり、2030年までに毎年最低でも250人の人材を新たに確保する必要があり、これに加えて規定の機乗経験が必要とされている副操縦士の育成を早め人員の底上げをしていく必要があります。

その間にも定年退職していくパイロットがいることをふまえると年間300人から350人の育成が必須となっているのです。

パイロットが必要な経験と能力をつけるまでに必要な期間は約10年から15年と言われています。訓練生が副操縦士となるまでに約4年から5年、副操縦士が機長に昇格するまでにも決められた乗務経験を積まなくてはならないなど細かな規定があり、約10年が必要となります。

また、海外ではすでに活用されているパイロットや客室乗務員を派遣する制度が日本にはないことも一員として挙げられます。

現在日本で養成されているパイロットの卵は、ANAやJALが行なっている自社養成、航空大学校や民間の飛行学校などを含めても、年間200人程度でその数は充分ではありません。

そのため、人材の確保を目的にすでに過熱しているパイロットの争奪戦が今後ますます激化することは避けられないでしょう。

すでに顕在化している航空業界の問題

エアライン受験生は知っておきたい!航空業界の「2030年問題」とは?

北海道を拠点とする航空会社AIR DOが11月6日から25日までの間、2路線計34便を運休したというニュースがありました。

今回の運休は、B737型機のパイロット2人が退職しその穴埋めができなかったことが原因とされており、この先も乗員のやりくりができずすでに2018年2月初旬には26便の運休を決めているとの発表もありました。

たった2人の退職が通常運航の妨げとなってしまうということに驚いた人もいるのではないでしょうか。

パイロット不足が原因の運休は今回のAIR DOの件がはじめてではなく、過去にはスカイマーク、ピーチアビエーション、バニラエアなどでも同じように乗員繰りが原因で運休が相次ぎました。

このようにすでに顕在化しているパイロット不足は、各航空会社だけの問題にとどまらず、航空業界全体の問題として取り組みを強化していかなくてはなりません。

2030年問題のために航空業界が取り組んでいること

パイロット不足を解消するために日本の航空業界はどのような取り組みを行なっているのでしょうか。

日本ではこれまでパイロットの養成は、民間航空会社の自社養成と航空大学校のみに任されていました。

しかし、この先のパイロット不足を危惧し、2006年にANAホールディングスが東海大学と連携し国内で初となる私立大学のパイロット養成コースを立ち上げたほか、パイロット養成課程を設ける全国6つの私立大学や専門学校の定員を引き上げ、養成人数を増やすなどの対策を行なっています。

また、これまで65歳を定年としてきたパイロットの定年を68歳に引き上げることが決まりました。

しかし、パイロットとして安全な航空業務を遂行するにあたり、一定期間毎に航空身体検査の受診が義務づけられています。

その基準は極めて厳しく、高齢になるにつれて引き起こされる健康不安や様々な疾患が理由で不適合となってしまうパイロットがいるというシビアな実情があることは否めません。

ほかにも、今後パイロットを志す学生の向けの奨学金制度の導入、航空自衛隊からの割愛(斡旋)、即戦力となる外国人パイロットの採用など、中長期的なスパンで対策を行なっています。

航空業界を目指す上で押さえておきたいポイント

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航空業界はいつの時代も憧れの業界であることに変わりはなく、「パイロットになりたい。」「客室乗務員になりたい。」という人材が減っているわけではありません。

しかし、安全運航の観点から厳しい資格要件が求められているパイロットは、養成に時間と多大なコストが必要となるため、新規パイロットの養成は簡単なことではないのです。

安定的なパイロットの供給を行うためには、日本の航空業界全体、さらには世界の航空業界全体で新たな養成方法と確保、現役のパイロットの有効活用などを含めた課題を解決していくことが急務と言えるでしょう。

今回は現在問題となっているパイロット不足について取り上げましたが、航空旅客が増加し航空便が拡充されていくということは、客室乗務員や航空技術者も多数必要になるということです。

今後、航空業界の需要はますます高まると予想されており、そのためには国内のみにとどまらず国際的に通用する人材がますます求められていくことになります。

学生のうちから航空業界全体のニュースにも目をむけ、より広い視点で航空業界の現状を把握しておくようにしましょう。

また、航空業界を目指すために必要な資質や能力を磨き、苦手な分野の向上に努めることも大切です。

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この記事を書いたキャビンアテンダントは・・・

ca6桜子さん

海外の大学へ留学後、旅行やビジネスコミュニケーションの仕事を経験し、日系航空会社のキャビンアテンダントへ。アジア・中東・欧州での生活経験あり。

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