機内というフロントラインでお客様と接する客室乗務員は、「お客様を安全に目的地にお連れする保安要員」、「お客様に快適な空の旅を提供するためのサービス要員」という安全とサービスの2つの観点からお客様に安全で快適な空の旅を提供するという役割を担っています。
客室乗務員は、国籍や年齢、異なる旅の利用目的など多様なバックグラウンドを持つお客様ひとりひとりにとって最適な対応を考えながら、仲間と力を合わせてフライトを行なっています。
そこで今回は、客室乗務員がひとつのフライトを作り上げるために必要な客室乗務員の役職や、あまり知られていない飛行機の客室以外での活躍フィールドや役割について紹介したいと思います。
これから客室乗務員を目指している人、将来的には客室乗務員からセカンドキャリアへの転向を希望したいという人、ライフステージに合わせて働ける環境が整っているのかを知りたいという人も、ぜひ参考にしてみてください。
機内での役職(役割)
チーフパーサー
チーフパーサー は、国内線、国際線を問わず客室全体の責任者の役割を担います。
模範となる高い品質レベルのサービスを提供し、客室全体を統括するリーダーシップを発揮し、一緒に乗務する後進の客室乗務員の指導も行い成長を促す仕事をも行います。
客室乗務員としての経験を積み、約7年目以降に昇格試験を受けることでチーフパーサー として活躍することができます。
主に上位クラスや客室の前方に配置されており、航空会社によっては異なるカラーの制服を着用していることもあります。
客室乗務員になったら目指したい!チーフパーサーはどんな仕事をする?どうやったらなれる?パーサー
パーサーは、国際線の各クラスにおいて客室乗務員の統括とクラス内のマネジメントを行う責任者です。
エコノミークラス、ビジネスクラス、ファーストクラス、それぞれに高いスキルが必要になり、新人や後進の客室乗務員の指導も行います。
高度な技量と深い知識が求められるパーサーに昇格するためには、すべてのクラスでの乗務経験が必要になり、昇格試験までには約3年から5年を要します。
クォリティリーダー/アドバイザー
機内サービスの品質向上を目指し、高いスキルを持つ客室乗務員が新人客室乗務員の模範となり、指導や育成に当たります。
フライトを共にしながら親身になって指導し、新人客室乗務員が成長し続けらレルようあらゆる角度からサポートする役割があります。
地上で働く客室乗務員としての役割
訓練インストラクター
客室乗務員として身につけた能力や適性を活かし、各種訓練のインストラクターを務めます。
新人訓練をはじめ、すべての客室乗務員が定期的に行う定期訓練や安全教育、昇格訓練、海外ベース客室乗務員の指導など、多くのフライトで積み重ねてきた経験や感性のほか、指導し育てるスキルが必要な仕事です。
海外基地業務
現地採用の客室乗務員が所属する海外基地において、サービス品質の向上や安全知識の習得に取り組む役割を担う客室乗務員です。
異なる文化背景や価値観を持つ現地採用客室乗務員が、日本のおもてなしの心や伝統、サービススキルを理解し遂行できるように、地上業務とフライトの両方の面から海外基地客室乗務員へのアドバイスやサポートを行います。
客室品質企画業務
客室乗務員としての経験を活かし、お客様から届いた声や意見のひとつひとつに目を通して分析し、客室乗務員にフィードバックするとともに、サービス品質の向上や新しい企画の構成などを担当します。
客室乗務員への指示や説明をわかりやすく行うことができるのも、客室乗務員として積み重ねた経験があるからこそ。
ワークライフバランスが取れた地上勤務では、家庭との両立がしやすく長く勤務できる環境として、客室乗務員のセカンドキャリアとして転向する人もいます。
広報
客室乗務員としての経験を活かし、グループ会社内で広報を担当します。
社内の様々な部署と連携し、ホームページコンテンツや社内報の作成、外部機関への広報活動など、幅広業務に携わります。
機内での業務とは異なり社内の多くの部署と関わることで、皆が一丸となってお客様により良いサービスを提供するための様々な取り組みをしていることを学べるだけでなく、機内では使用することがないパソコンスキルなどを身につけることもできます。
また、不規則な勤務が多い客室乗務員職に比べると、家庭を持つ女性に優しい労働環境で仕事とプライベートの両立を叶えることもできます。
管理職
チーフパーサー や訓練インストラクターなど、様々な役職で客室乗務員としての経験を積み、さらにキャリアアップすると管理職として地上で勤務を行います。
チーフパーサー として客室全体を統括する視点、客室乗務員として長年培った感性や視点を活かし、VIPフライトの担当をしたり、新人客室乗務員の採用に携わったり、客室乗務員のアドバイザーとしての役割も担います。
まとめ
いかがでしたか?
客室乗務員の役割は、「お客様を安全に目的地にお連れする保安要員」、「お客様に快適な空の旅を提供するためのサービス要員」という2つの側面があります。
機内で乗務する客室乗務員には、チーフパーサーやパーサーのように感性と経験を活かして客室全体を統括し、フライトを作りあげる客室乗務員がいるとともに、客室乗務員としての経験を活かして地上の業務でフライトのサポートを行なっている客室乗務員もいるということがわかると思います。
すべての客室乗務員がそれぞれ異なる役職や役割を担うことで、多方面から物事を捉え、より良いサービスを追求していくことができる仕組みになっています。
地上の勤務では、それまで機内では関わることがなかった各部署との連携を含め、違う角度からフライトを見ることができるようになるなど、そのメリットはたくさんあります。
また、客室乗務員資格を取得した客室乗務員は、働くフィールドを地上勤務に移したとしても、半年に1度行われる慣熟フライトや1年に1度行われる定期訓練や安全教育を受けることで、客室乗務員として乗務する資格を継続して持ち続けることができます。
そのため、結婚や出産、育児などのライフステージに合わせてフライト乗務の客室乗務員から地上勤務へ転向することもできるほか、地上勤務からフライト業務へ復帰することも可能となっています。
ひとつのフライトの裏には、フロントラインで働く客室乗務員だけでなく、それを支える客室乗務員がいることもぜひ覚えておいてください。
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この記事を書いたキャビンアテンダントは・・・
桜子さん
海外の大学へ留学後、旅行やビジネスコミュニケーションの仕事を経験し、日系航空会社のキャビンアテンダントへ。アジア・中東・欧州での生活経験あり。