【エアライン企業研究】各航空会社の地域創生における取り組みとは?

春を迎え今年も就職活動のシーズンが開始しましたね。客室乗務員を目指すみなさんもそれぞれ準備を開始していると思います。

就職活動では、志望する航空会社が求める人材像や就きたい仕事に必要な要素を研究し、志望動機や自己PRなどのES(エントリーシート)の作成や面接対策に力を入れることも大切ですが、中でももっとも重要と言えるのは企業研究です。

志望する航空会社の企業研究を行うことが重要と言われているのは、企業が力を入れている分野や取り組みを知ることで、企業のビジョンや企業の将来性、さらには企業が求めている人材像を知ることができるからです。

そこで今回は、航空会社とは切っても切り離せない地域創生に重点を起き、各航空会社の取り組みなどを取り上げてみたいと思います。

地域創生における航空会社の役割

【エアライン企業研究】各航空会社の地域創生における取り組みとは?

まず最初に、地域創生とは何かご存知ですか?

地域創生とは、高齢化と人口減少の課題への取り組みとして、各地の伝統文化や観光資源のPRなどを行うなどして誘客促進し、地域経済の活性化に貢献する活動です。

近年、世界では日本の伝統的な文化や観光資源が注目されていますが、反対に国内では人口減少や伝統産業の衰退が問題となっています。

地域創生における航空会社の役割は、日本国内と世界を繋げることができる広大なネットワーク、航空会社としてのノウハウ、海外事業との連携をはじめ、多言語化して情報発信できるツールなど地域の自治体にはない幅広い技術を利用して地域の認知向上に貢献することにあります。

地域創生におけるメリット

地域にとってのメリット

日本国内はもとより世界中にネットワークを広げる航空会社と協力した取り組みを行うことで、多言語での食・文化・観光の地域プロモーションが可能となり、地域の認知向上が可能となり、その結果より多くの誘客を叶えることができます。

航空会社にとってのメリット

日本国内、世界へのネットワークを利用して、各地域の伝統文化や銘産品、まだまだ世界に知られていない観光資源などを地域と共に磨きプロモーションすることで、日本国内だけでなく世界各地からの訪日客の誘致活動が可能となり、航空会社の利用客増加へと繋げることができます。

航空会社だからできる地域創生 各社の取り組み

【エアライン企業研究】各航空会社の地域創生における取り組みとは?

では、実際に航空会社は地域創生のためにどのような取り組みを行なっているのでしょうか。航空会社だからできる地域創生について、各航空会社の取り組みについて紹介します。

JALの取り組み

JALが主に力を入れている地域創生プロジェクトのひとつに、日本各地の地域と一緒に地域を元気にする「新JAPAN PROJECT」があります。

このプロジェクトは、「観光振興」・「地域産業支援」・「地域紹介」・「コラボレーション」などで成り立っています。

特に、毎月異なる地域を取り上げて機内誌や自社メディア等で紹介したり地域の特産品を使用した機内食を提供したりする「地域紹介」は、機内で多くの人の目に触れることでこれまで知らなかった各地の魅力を発見できる地域の認知向上に役立つ取り組みとなっています。

ANAの取り組み

ANAが行っている代表的な地域創生プロジェクトは、都市圏、各地域と海外との流動を増やす「地域活性化支援」です。

中でも主に力を入れている取り組みに、地域の観光資源の発掘や地域で企画した観光素材のモニターツアーを行う「魅力発掘」、地産品の宣伝や販売、機内や空港ラウンジで地域の食材を用いた食事の提供などのプロモーションを行う「物産振興」、客室乗務員のノウハウを用いたおもてなしセミナーで地域のおもてなし力向上を目指す「交流促進」、機体に自治体の名前と花のイラストをラッピングした飛行機の運航を行う「ご当地プレーン」があります。

地域密着型エアラインの取り組み

地域密着型エアラインはネットワークが限られている中でも、就航している地域の魅力を最大限に伝える取り組みを行なっています。

例えば、宮崎を拠点にするソラシドエアが行っている「空恋プロジェクト」は、運航している機体に九州・沖縄の地名を表示して地域のPRに活用しています。

また、日本一のLCCとしてネットワークを広げるピーチアビエーションは「空飛ぶ電車」をモットーに、若年層をターゲットにSNSを活用した宣伝活動やこれまで陸路では長時間かかっていた地域へ就航することでの観光振興、潜在需要の掘り起こしを行なっています。

インバウンド(訪日客)への取り組み

【エアライン企業研究】各航空会社の地域創生における取り組みとは?

航空会社が行う地域創生にはインバウンド(訪日客)誘致の取り組みも欠かせません。海外からの訪問客を都市圏だけでなく各地域へと誘客するために各航空会社が行なっている取り組みを一部後紹介します。

日本の航空会社において国際線就航都市ナンバーワンを誇るANAは、12カ国語で利用できる訪日外国人向け情報サイト「Japan Travel Planner」を開設し世界各地への情報発信を行なっています。

また、JALは世界各国の就航地において訪日外国人向け情報案内サイト「JAL Guide to Japan」を開設し、日本各地の情報を発信しています。

これらのサイトは、航空券予約・旅程作成・日本各地の観光情報収集を一括して行えるのが特徴となっています。

まとめ

いかがでしたか?日本国内、世界各国へのネットワークを持つ航空会社の強みを生かした地域振興の取り組みは、日本人だけでなく世界中から誘客できるという特徴があります。

各航空会社が行っている取り組みを知ることで、それぞれの企業がどのような分野に力を入れているのか、どのような分野を今後伸ばしていきたいと考えているのかなど、企業のビジョンや将来性を知ることができます。

客室乗務員を目指して航空会社の企業研究を行う際には、客室乗務員の仕事や機内での業務だけに止まらず、企業全体の取り組みに視野を広げてみると良いでしょう。

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この記事を書いたキャビンアテンダントは・・・

ca6桜子さん

海外の大学へ留学後、旅行やビジネスコミュニケーションの仕事を経験し、日系航空会社のキャビンアテンダントへ。アジア・中東・欧州での生活経験あり。

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