接客のプロ・CAが直伝!お客様を気分よく誘導する方法

ミールのチョイス切れ、座席トラブル、満席による快適性の欠如、安全上ご要望に添えない場合など機内は様々な旅客対応に追われる環境にあります。

フライトという限られた空間・時間・物品の中で私たちが常に心がけているトラブルに至る前のちょっとした対策方法をお教えします。

ないものを頼まれたら代替え品で待たされる感を軽減

よくあるのがサービスカートにリクエストされたものがないという場合。例えば通常食後にサービスするコーヒーを食前酒のサービス中に頼まれてしまったら、あと40人ものお客様が首を長くして自分の番を辛抱強く待っている中、一人のリクエストのために延々とまたギャレーまで戻るわけにもいきません。

そんな時は「後ほどお持ちしますので、それまでこちらのお飲み物はいかがでしょうか?」と手元にあるものをお勧めします。

人は待たされる事にはあまりいい気はしませんが、特別にプラス一杯の飲み物がもらえると言われれば悪い気はしませんよね。この一杯で待たされている感も緩和されますので快くお待ちいただけます。手元にあるもので上手く代替え品をお勧めしてみましょう。

お待たせする場合は目安時間を伝える

これはレストランや病院の待合室など様々な場面で言える事ですが、待ち時間がどれくらいかかるか分からない時の待っている時間はとてつもなく長く感じるものですよね。

リクエストを立て続けにいくつも受ける事が多い満席のフライト。自分では効率よくリクエストに応えるために頭のなかで順序立てて対応していても、お客様にはそれは分かりません。ただ待たされた事だけが後に引いて不満が残ってしまう事も。

そんな時には数字を用いて具体的に説明しましょう。「すでに3名様ほどお待ちいただいております。」「淹れたてのコーヒーが出来上がるのに10分ほどかかりますがよろしいでしょうか。」「到着の30分ほど前、現地時刻の12時頃にもう一度お伺いします。」のようにお客様にも状況が分かるようにお伝えすればただ延々と待たされているという感覚も薄れますよね。

さらに時間がかかってしまいそうであれば、途中経過をお伝えすれば忘れられているのではないかという気持ちにもならず、「ちゃんと覚えていてくれているな」という安心感にも繋がります。

座席間の快適性を保つために

スーツ率の高いビジネス便でピリピリしたキャビンの真ん中で赤ちゃんが大泣き。お母様が肩身の狭い思いをしている光景は少なからず目にする光景。ビジネスマンの中には会議の資料や新聞を読みたいのに集中できない、少しでも寝たいのに…というような微妙な雰囲気が漂います。そんな時にCAはどう対応するのでしょうか。

もちろんまずは赤ちゃんにオモチャや絵本をお持ちしたり、あやして気を逸らしてみたりできる限りの手を尽くします。ただそれだけではなく、周囲のお客様への配慮も忘れてはいません。こっそり耳栓やイヤホン、新聞・雑誌などをお勧めします(当のお母様にはもちろん見られていない事は前提ですが)。

ひとりひとり機内の過ごし方が違いますのでニーズもそれに合わせて素早く拾っていく必要があります。満席で座席移動ができない場合でも、「ちゃんと自分も気にしてもらえているんだな」という気持ちは心理的に快適性の向上にも繋がります。

ちょっと気になるお客様には早めにアプローチ&情報共有

機内で毎日多くのお客様をサービスしていると自然とピンとくるようになる「気になるお客様」。これは不思議とどのCAもやはり同じお客様が気になるようです。

そして実はこの鋭いCAの嗅覚は間違っていない事が大半。あとで大クレームに発展してしまった時に「やっぱりあの時気になっていたお客様だ」と複数のCAが後悔する事も。

すでに不満をもっている方、比較的気難しい方などは特に早めにアプローチしておく必要があります。新聞サービス時にあえてそこで立ち止まって一言かけてお勧めしてみる、食事をさげる際に「お口に合いましたか?」などほんの一言で良いのです。

なんだか自分から地雷を踏みに行くようですが、目を見て一度コミュニケーション取っておくことがその後のクレーム発生率を下げる秘訣。お客様の心理として、感じ良く接してもらえたり気にかけてもらえたCAには逆にクレームをつけづらい気持ちになるようです。

クレームではなく最終的に「今日チケット発券時にこんな対応されてさぁ」と、心の中のくすぶりをCAに打ち明けて「この人ならしっかり聞いてくれる。」「ちゃんと会社に報告してくれる」と心を開いてくださるところまで引き出せたらもう接客のエキスパートです。

注意点は他のCAとも情報を共有しておくこと。お声がけが何度も重複してしまって機嫌を逆撫でしてしまわないよう皆で確認しておきましょう。

まとめ

どうしてもお待たせしてしまう時や「満席」という状況は変えられませんが、これらの声掛けひとつ工夫するだけでマイナスの気持ちをプラスに変えられるのです。ぜひ実践してみてくださいね。

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この記事を書いたCA(客室乗務員)は・・・

ca4涼子さん

国内系大手航空会社の国際線客室乗務員として10年以上勤務し、世界中をフライトで飛び回る。世界の大都市・グルメ・音楽・カルチャーに関心を持ち、結婚に伴いヨーロッパでの海外生活を始める。翻訳・通訳歴も数年あり、英語・ドイツ語はビジネスレベル。

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