長時間のフライトは憂鬱だなぁ・・・出張でいつも同じルートの飛行機で退屈だな・・・という方もいらっしゃるかもしれませんが、飛行機のルートに関する豆知識を知ると、飛行機の時間がもっと楽しめるかもしれません。
元CAがフライトをもっと楽しめる秘訣をご紹介いたします!
空には道がある?
自由に大空を飛ぶ飛行機。地上とは違い、線路や道路、信号もありません。ひとたび空港から飛び立てば、何の制約もなく飛んでいるように見えます。
しかし実際には、飛行機にも決められた道があります。もちろん空に描かれているわけではありませんが、いつどこを通過していくのか明確に決められているんです。スマートフォンのアプリやインターネットでは、上空を飛ぶ飛行機の現在地が分かるものがありますよね。
世界中飛行機が飛び交う現代において、自由気ままに飛んでいたら大事故につながりかねません。何も見えない空にも、きちんと道が整備されているんですね。
目的地までは通過ポイントがある
空の道は、地上とは違い立体で表現されます。距離と時間と高さですね。そしてその道は、天候や飛行機の重さ、燃費などを考え、フライトごとにディスパッチャーと言われる人が作成しています。
これはフライトプランと呼ばれ、何時にどこの上空をどのくらいの高度と速度で通過するかは、出発前に大方決まっているのです。目的地までの所要時間や定時運航が可能なのは、綿密に計算されたフライトプランのおかげなんですね。
さてどこの上空というポイントは、国内にいくつ設定されており「ウェイポイント」と呼ばれています。例えば、東京-福岡間では、次のようなウェイポイントがあります。羽田空港を離陸した飛行機は、箱根上空→富士山付近→名古屋→京都→姫路→瀬戸内海上空を通り福岡空港へ着陸します。
一直線に飛んでいるのではなく、このウェイポイントを通過しながらジグザグに飛んでいるのですね。目に見えない通過ポイントのおかげで、上空の飛行機は安全な間隔を保ちながら飛行することができています。
ルートはどうやって決めている?
飛行機のルートは、先ほど説明した通りディスパッチャーが作成するフライトプランで決められています。何時にどの地点にいるかを示したもので、出発前のブリーフィングでパイロットと共有します。
ウェイポイントなどの関係で路線ごとにだいたいのルートは決まっていますが、天候や揺れの状況、燃費などによって、その日、そのフライトごとに詳細なルートは異なります。旅客機は安全第一です。場合によっては、機内の揺れが少ないルートを選択することもあります。
以前客室乗務員として乗務したフライトで、このようなことがありました。東京-富山間は、羽田空港を離陸後、通常まっすぐと富山方面に向かって飛び立ちます。フライトタイムはわずか40分。八ヶ岳や北アルプスの山々を望み、天気が良ければ遠くに黒部ダムを見ることもできます。
しかしその日はあいにく天気で、上空ではベルト着用サインが消えないほどの断続的な大きな揺れが予想されていました。そしてフライト前に言われたルートは、名古屋方面へ迂回するというもの。当然フライトタイムはかかりますが、揺れも少なく上空では通常通りサービスができました。
揺れる機内は、必要以上に不安になります。フライトは問題なくても、旅客機が運んでいるのは荷物ではなく人です。より安全で安心できるルートを臨機応変に選んでいるようです。
飛行ルートが分かれば、フライトがもっと楽しくなる!
上空からの景色は、格別ですよね。わざわざ窓側の席を選びカメラを抱えて準備しているお客様も多いです。ANAではホームページにキャプテンからのルートインフォメーションとして、パイロットしか知らない空のビューポイントを写真付きで紹介しています。国内線の様々な路線が掲載されており、旅行の予定がなくても楽しめるのでぜひ見てみてください。
「富士山はいつ見えますか?」はよく聞かれる質問ですが、富士山だけでなく、上空から見る景色は地上とは全く違う良さがあります。日本独特の地形、島や橋など、地図を片手に見ていると同じ形だ!と大人でも声を上げて喜んでしまいます。今までフライト中は寝てばっかりだった人や飛行機が怖いなんて人も、一度窓の外を覗いてみてください。きっとフライトがもっと楽しくなると思いますよ。
参考:CaptainからのRoute Information
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この記事を書いたCA(客室乗務員)は・・・
ユカさん
大学卒業後、客室乗務員として国内大手航空会社へ就職。人材サービス会社の事務職を経て、現在はフリーランスのライターとして活躍中。