CSR(社会的責任)という言葉、聞いたことがある人も多いかと思います。情報化社会、グローバル化、地球環境問題の影響で、企業におけるCSRはますます注目されており、実際に多くの企業が様々な社会貢献活動に取り組んでいます。
では、航空業界における社会的責任とはどのようなものでしょうか。エアライン受験の面接でCSRについて問われることも多くなってきています。
そこで今回は、CSR活動のメリットや実際に大手航空会社が行っているCSRの例を見ながら、CSRについて理解を深めていきたいと思います。
CSR(社会的責任)とは?
近年よく耳にするようになったCSRという言葉の意味をみなさんはご存知ですか?
CSRとはCorporate Social Responsibilityの略で日本では企業の社会的責任や社会貢献という意味を持ちます。
日本におけるCSRの認知度は海外ほど高くはなく、まだまだ知られていないことも多いですが、日本と世界を繋ぐ役割を担う日本の航空会社では早くからCSR活動を行い、 実施しているCSR活動や取り組みについても自社ウェブサイト等で公表しています。
また、航空会社の採用試験でCSR(社会的責任)について問われる機会も増えてきています。
そこで今回は、今後ますます広く認知されていくであろう、航空会社のCSR(社会的責任)についてまとめていきます。
CSR(社会的責任)活動による企業・社会へのメリット
CSR(社会的責任)活動は、その企業が関わるステークホルダー(株主、従業員等)との連携を通じて企業価値を高めるという考え方のもとに実施されています。
たとえば、航空会社が実施している主なCSR(社会的責任)活動には、資源・環境保護への取り組み、地域・社会への貢献、人権・多様性の尊重や共生社会の実現というものがあります。
これらのCSR(社会的責任)活動は、慈善活動や環境活動、寄付活動であることが多く、企業の収益には直結しないイメージがありますが、企業が取り組んでいる活動を公表することで公平で安心・安全であるというブランドイメージを構築し、企業への評価や信頼度等の社会的価値を高め他社との差別化を図るという企業側のメリットがあります。
また、社会側も企業が実施するCSR(社会的責任)活動に参加することで、さまざまな社会問題の解決や地域社会の活性化、新たな生産を生み出す機会を得られるだけでなく、企業の公平で安心、安全なサービスを受けることができるというメリットがあります。
航空会社が果たすべきCSR(社会的責任)とは
航空会社にとってもっとも重要なCSR(社会的責任)は安全運航です。
そのため、安全管理体制を整える組織づくりや日々の訓練、人員的ミスをなくすためのヒューマンファクター研究を徹底し、航空安全への意識を高めています。
また、CO2排出量の削減やバイオジェット燃料の製造などを通して資源と環境保護のための課題の認識と解決は航空会社が果たすべきCSR(社会的責任)のひとつです。
各航空会社が実際に行っているCSR(社会的責任)活動の例
JAL
日本を代表する航空会社のひとつであるJALは、主に「気球との共生」、「地域社会への貢献」、「次世代育成」の3つのCSR(社会的責任)を掲げています。
たとえば、「気球との共生」の分野では、航空機の運航中プログラミングした地点での大気の採取、すべてのフライトでのCO2濃度測定などを行うことで地球温暖化をもたらす大気のメカニズムの解明に協力しています。
「地域社会への貢献」の分野では、災害発生時の臨時便をはじめ、NGO・NPOと連携して救援物資や救援要員の輸送に協力しています。
また、ユニセフ外国コイン募集実行委員会のメンバーとして航空会社の特性を活かした機内外貨募金、街頭募金などのイベントへのボランティア参加を行い、発展途上国支援に携わっています。
日本国内への貢献としては、地域活性化を目的とした様々な活動を通して、人口減少、少子高齢化、東京一極集中など、日本が抱える多くの問題を解決し、地域を元気にすることを目指している、「JAL新・JAPAN PROJECT」という取り組みがあります。
「次世代育成」の分野においては、飛行機を通して自分の未来、日本・世界の未来、地球の未来を考える「空育」と題した取り組みを行なっています。
中でも、飛行機を間近で見られる「JAL工場見学」や運航乗務員、客室乗務員と直接触れ合える「お仕事講座」などの体験プログラムは子どもたちに未来を考えるきっかけ作りとして人気を集めています。
ANA
日本の大手航空会社のひとつとしてさまざまなCSR(社会的責任)活動を行なっているANAでは、「環境」、「人権」、「ダイバーシティ」、「地域創生」を重要課題として取り上げています。
まず、「環境」の分野においては「環境リーディング・エアライン」としてCO2削減を中心とした環境保全活動を行なっています。
航空機のエンジンについた塵を落とす水洗洗浄を定期的に行うことでエンジン効率を高め継続的な燃料削減に取り組んでいるほか、ユーグレナ等を原料としたバイオジェット燃料の開発製造に力を入れ、CO2の削減と地球温暖化防止の解決に取り組んでいます。
「人権」の分野では、人権に纏わる啓発教育を全社員に実施しているほか、日本における外国人労働者の労働環境を把握する調査に参加、また、航空機を用いた人身取引問題の予防措置を行うなどのリスク発生防止に取り組んでいます。
「ダイバーシティ」の分野では、グループの全社員が 多様な価値観を受け入れる受容力を高めるためにさまざまな講座を展開しているほか、LGBTフレンドリーに特化した商品やサービスの開発を進めています。
「地域創生」の分野では、日本各地の物産品の販売や観光素材の発掘、ANAノノウハウを活かした訪日外国人の受け入れ支援等の観光推進と地域活性化に向けた取り組みを行なっています。日本の古い文化や新しい文化を紹介した訪日需要喚起のための外国人向けウェブサイト「IS JAPAN COOL?」も話題になっています。
また、復興支援活動や次世代育成プログラム、海外就航地での教育支援や観光資源の保全などの社会貢献活動にも力を入れています。
あなたは入社後どのように社会に貢献しますか?
航空会社受験では、書類選考(エントリーシート作成)や面接においてCSR(社会貢献)について問われることがよくあります。
「入社後どのように社会に貢献するか。」という問いはこれから受験を控えた皆さんには少し難しく感じるかもしれませんね。
この質問への答えを見つけるには、受験する企業が取り組んでいるCSR(社会貢献)活動についてしっかりと知っておく必要があります。
航空会社を受験する際には、企業の理念や目指している方向性、他の企業とどう違うのかをよく理解し、企業の一員とし社会に貢献できることは何かを考えてみるようにしましょう。
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この記事を書いたキャビンアテンダントは・・・
桜子さん
海外の大学へ留学後、旅行やビジネスコミュニケーションの仕事を経験し、日系航空会社のキャビンアテンダントへ。アジア・中東・欧州での生活経験あり。