手厚い担当制の助産婦制度、日本ではまだ馴染みのない水中出産、出産にかかる費用や育児休暇制度など現在ドイツで2人目の息子を妊娠中の私が実際に体験した妊娠・出産事情についてお伝えします。
分娩後はすぐにでも帰宅したがるドイツ人
出産後は母子共に特別な処置が必要なければ生まれたてほやほやの新生児と共に一緒に病室へそのまま向かいます。私の場合は子供が2600gとかなり低体重だったので3日間の検査が必要でしたが、希望すれば即日退院も可能だとか。
看護師さんは何か質問があれば教えてくれますが基本自分のことは自分でやるドイツ。私はかなりのスピード出産&安産でピンピンしていたのと個室だったのでおむつ替えや授乳方法など都度ナースステーションに聞きに言っていましたが(コ−ルボタン使っていいのよ!と言われてしまったくらい)、通常2人部屋で他の赤ちゃんも同室の場合、産後のダメージも回復していない身で新生児の世話はかなりキツいのでしょう、なるべくすぐにでも退院したいというママが多いようです。
ちなみにドイツの病院の食事は本当に質素で、味のない黒パン2枚、ハム、チーズ、という朝食。さらに昼食にまた黒パンとソーセージ1本、じゃがいもが出てきた時にはさすがに食べる気もなく寿司をテイクアウトしてきてもらいました…。これも即退院したがる理由のひとつなのでしょう。
産後の訪問ケア
始めにお伝えしたように、自分の選んだ担当のヘバメ(助産婦)は産後に素晴らしいサポートをしてくれます。退院当日、または翌日から10日〜2週間ほど毎日自宅を訪問し産後の健診、授乳やおむつ替え指導、沐浴、黄疸の健診などママと赤ちゃんの状態を見ながら細かくケアしてくれます。
さらにその後も訪問回数は減っていきますが定期的に通ってくれますし、赤ちゃんの成長具合に合わせて都度アドバイスをしてもらえます。
私は産褥トレーニング(骨盤や腰・背中の筋肉を中心に身体を戻していく運動)、スリングの色々な巻き方、赤ちゃんの洋服の組み合わせ方、授乳に良い食事の指導、搾乳の方法、泣き止ませ方、おしゃぶりの選び方、離乳食の始め方…ここに書ききれないほどの事を半年に渡って教えてもらいました。
日本人のコネもあまりないドイツで初めての出産を無事乗り越えられたのも間違いなくこのヘバメのおかげです。実家に帰省して出産する習慣のある日本にはそこまで必要ないのかもしれませんが、これだけ大きな役を果たしてくれるサポーターですのでドイツでは産前のヘバメ選びが大きな鍵を握ると言っても過言ではありません。
妊娠・出産・育児にかかる費用
最後に気になる出産にかかる費用についてですが、ざっくり書いてしまえばまず出産費用はドイツでは一切必要ありません。病院で特別個室を選んだりしなければ財布を忘れても無事出産・退院できるわけです。補助金が出るとはいえ出産費用を負担しなければならない日本とは大きく異なります。
それどころか一部任意の検査や血液検査を除いて妊娠中の定期検診から出産・産後のヘバメ(助産婦)の訪問健診までドイツでは回数制限もありませんし一切自己負担なし。
さらに長い目で見てみると、子供手当として一人目は毎月190ユーロ支給され、子供が大学進学する場合はなんと25歳まで支給されます。日本はちなみに中学生まで一人1万円(3歳未満は1万5千円)支給されます。
さらに幼稚園は3歳以上であれば一月あたり食費の24ユーロのみ、学費も公立の学校は高校まで無料ですし、大学も私立でなければほぼ無料といえる額。育児にかかる費用に全く不安を抱える心配はありません。
もちろん税金のシステムが違いますので、給料から税金を差し引いた手取り額はうんと下がってしまうドイツですが、これだけ保証されていると子育てや将来の安心感が違いますよね。
私は日本で出産した経験がないので細かな比較はできませんが、ドイツでの妊娠・出産に関しては本当に満足していますし、今妊娠中の2人目の息子ももちろんドイツでの出産を希望しています。
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この記事を書いたCA(客室乗務員)は・・・
涼子さん
国内系大手航空会社の国際線客室乗務員として10年以上勤務し、世界中をフライトで飛び回る。世界の大都市・グルメ・音楽・カルチャーに関心を持ち、結婚に伴いヨーロッパでの海外生活を始める。翻訳・通訳歴も数年あり、英語・ドイツ語はビジネスレベル。