TOEIC点数アップに留学は必要?留学のメリット・デメリットと留学以外の学習法を英語講師が解説

航空会社にキャビンアテンダント(CA)やグランドスタッフ(GS)として就職を希望する場合、避けて通れないのが「英語」。就職活動時のエントリーシートには、TOEICスコアなど英語力の記載が必要です。
そのため、「今からでも海外留学をしたほうがいいのだろうか」と気になっている人も多いでしょう。

今回は、TOEICスコアアップのためには留学は必要かどうか、留学のメリットやデメリット、留学以外での勉強法などについて、留学経験のある英語(TOEIC)講師が解説いたします。

この記事を書いたTOEICの先生

ca6TOEIC講師:高橋アキ
東京外国語大学在学中にカナダ、フランスへ留学。
卒業後は外資系企業に6年間勤務し、豊富な外国人アテンド経験を基に「おもてなし英会話」も教えている。
CAコンシェルジュ東京校TOEIC講師/TOEIC954点

1.TOEICスコアアップのために留学は必要?

英語力が各段に向上する方法として最初に思いつくのは、「留学」が多いでしょう。
「毎日英語を使って生活をすれば、きっと英語は身に付く」と考えるのは自然かもしれません。

しかし、TOEICスコアを上げるために、必ずしも留学をする必要はありません。
なぜなら、TOEICの点数を上げるということ自体は、国内で英語学習をしても十分に達成できるからです。

まずは、「TOEICスコアを伸ばすという目的達成のために、留学は最適解か」をかみ砕いて考えることから始めてみましょう。

2.留学する前に、ある程度のTOEICスコアが必要

留学の広告で、特に短期留学の場合は「英語力がゼロでも留学できる!」という謳い文句を目にしたことがある人もいるかもしれません。
しかし、費用対効果の観点からも、英語力がない状態での留学は、あまりおすすめしません。
なぜなら、留学する前の時点で、ある程度のTOEICスコアが取れる英語力があったほうがよいのは明確だからです。

2-1 留学前にもTOEICスコアが必要な理由

留学経験者が口をそろえて言うのは、「留学するにしても、TOEICやTOEFL、英検など、ある程度の英語力を日本国内で確保してからのほうがよい」ということ。

目安としては、義務教育である中学卒業程度(英検3級)程度の英語力は必須、できれば高校卒業程度(英検2級、TOEIC500点前後)まであるのが望ましいです。

現地で最低限必要な英語力を日本で身に付けていない場合、現地での生活の立ち上げから困難を極め、英語学習以前の部分でストレスが溜まりやすくなります。

そうならないためにも、まずは、語彙力やネイティブスピードのリスニング力を高めることができるTOEICテストで、ある程度のスコアを取得しておくのがおすすめです。

2-2 TOEICで現状の英語力を分析

英語力を示す4技能とは、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4つ。

このバランスなどを見ながら、自分に必要な英語力を育てていくことが英語学習のベースです。

TOEICテストでは、この4技能を確認するために、リスニング&リーディングテストと、スピーキング&ライティングテストの2種類が用意されています。
CA受験に必要なTOEICスコアは、国内系の航空会社の場合、リスニング&リーディングテストで600点程度ですので、まずはTOEICリスニング&リーディングテストから受験してみましょう(詳しくは、別記事をご参照ください)。

テスト結果を受けて、自分の英語力は4技能のうちどこが強み・弱みなのか、CA合格のためにどこを伸ばす必要があるのかなどを確認してみてください。

3.TOEICスコアアップを目的にする留学のメリットとデメリット

留学と聞くと、「英語力が伸びる!」というような良い面が目立つかもしれませんが、もちろんメリット・デメリットがあります。

それらを踏まえたうえで、今の自分に留学が必要かを検討しましょう。

3-1 留学のメリット

日本にいる場合、日常で英語を使う機会は明らかに少ないため、「留学で英語環境に飛び込み、英語漬けの生活になる」ことは、留学の最大のメリットといえます。
日本で英語を学ぶよりも、短期間でリスニング力、スピーキング力が向上しやすいです。

また、CA受験の際には、「留学していた」ということ自体が自己PRとして生かせます。
面接時には、現地生活や現地の人々との交流などを通して学んだこと、CAとして生かしたいことなどについて話せるとよいでしょう。

3-2 留学のデメリット

一方、留学にはデメリットもあります。

例えば、日本で英語を学ぶよりも、まとまった費用や期間が必要になります。
国や出発時期、留学期間によって金額は大きく異なりますが、いずれにしても出発までの下準備に時間を要します。

せっかく留学をしても、日本人の多い環境で日本人とばかり仲良くしていたり、積極的に英語を上達するための努力を怠り、英語が身に付かないまま帰国する人も少なくありません。

また、4技能のうち、留学では積極的な留学生活を送ることでリスニングやスピーキングは前述のとおり必然的に伸びますが、リーディングやライティングは留学先の環境によって自分で努力しなければ伸びにくいという点では、日本での学習とあまり変わりません。

上記のことから、「TOEICスコアを上げるため」という目的のためだけであれば、必ずしも留学が最適というわけではないといえます。

4.留学以外のTOEIC学習法

それでは、留学以外でTOEICスコアを上げる方法には具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
以下に大きく3つの方法を紹介します。

4-1 TOEIC専門スクール

まずは、TOEIC指導を得意とした専門スクールに通う方法が挙げられます。
スクール名にTOEICが入っていたり、指導カリキュラムにTOEICに特化した講座が含まれている場合が多いです。

また、CA受験者たちをサポートするエアラインスクールでも、TOEICを含めた英語指導を実施しているところがあります。
この場合、TOEIC指導だけでなく、CAになった後に必要となるおもてなし英語なども意識しながら総合的に学べるという点が期待できます。

4-2 独学

市販で売られているTOEIC参考書やスマートフォンアプリなどには良質なものも多いので、独学で学ぶことも可能です。
ただし、独学を成功させるには、TOEIC学習への強い意志があること、学習中に出てきた疑問点をそのままにせず自分で調べて解消する力が求められます。

また、通っている大学にTOEIC講座がある場合もありますので、貴重な機会を無駄なく使って学習するようにしましょう。

4-3 その他

上記以外のTOEIC学習法としては、
・1~2週間などの短期間でも申し込み可能な短期留学を試してみる
・自宅でも受講できる「オンライン英会話」レッスンを受講する
・日本で国際ボランティアをするなど、英語を使える環境を探す
・現時点で英語力にあまり自信がない場合は、英検の受験からチャレンジする

などがあります。

特に、英検は、試験科目に4技能すべてが含まれているのがよい点です。
もし、高校卒業程度(英検2級、TOEIC500点前後)の実力が備わっていないと感じる場合は、まずは英検学習から着手するのもおすすめです。

5.まとめ 留学の前に国内でTOEICスコアを上げよう

TOEICのスコアアップを目指す場合、留学だけが手段ではありません。
むしろ、留学する前に基礎的な英語力やTOEICスコアがあるほうが、現地での学習・生活を効率的に進められます。

まずは、現状の自分の英語力がどの程度なのか、自分の目指すTOEICスコアを獲得するために4技能(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)のどれを伸ばす必要があるのか、自己分析することから始めましょう。

なお、CAの採用試験では、国内系航空会社だとTOEIC600点がボーダーラインです。
自己分析の結果と目標値の乖離を確認しながら、自分が今やるべき英語学習を進めていきましょう。

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東京外国語大学在学中にカナダ、フランスへ留学。
卒業後は外資系企業に6年間勤務し、豊富な外国人アテンド経験を基に「おもてなし英会話」も教えている。
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