コロナ禍で現役国際線CAが語る客室乗務員という仕事の魅力とやりがい

私は現在、国際線を中心に世界各国へのフライトに乗務しています。一日に何百人ものお客様と出会い、海外を飛びまわる客室乗務員。他を探してもなかなか経験できない仕事であり、そこに数え切れないほどの魅力が詰まっています。

今回は、私が思う客室乗務員の魅力とやりがいをお伝えします。

世界を肌で感じられる

客室乗務員は世界中を飛び回ることができる特殊なお仕事です。だからこそ、世界を自分の肌で感じられることは最大の魅力です。

コロナウイルスが蔓延している現在では、実際に現地に訪れることで世界各国の状況を身をもって知ることができ、ニュースやメディアの情報だけでなく自分の経験から世界の状況を語れるようになります。この時期に海外に行けるのは非常に貴重な経験です。

状況が落ち着けばステイ先でも観光に出かけられるので、自分の目で世界中の文化や芸術、人や食事に触れられます。国際線を担当すると多い時には1ヶ月に4カ国へフライトすることも。

アジアの活気ある雰囲気を味わったと思えば、ヨーロッパで中世を感じさせる伝統的な建物やアートに出会い、次の週には経済の中心地であり多民族国家でもあるアメリカの自由で勢いのある雰囲気を感じる。

それぞれの文化に直接触れ、吸収できることは、私がCAの仕事をしていて楽しいと感じる理由の一つです。

空での素敵な出会い

機内には本当に様々なお客様がご搭乗されます。100人乗っていたら100通りの旅行目的、背景、人柄、ニーズがあり、お客様との出会いは私にとっての宝物です。

お客様はそれぞれの思いを抱えて飛行機に乗られています。それらに気づき、限られた時間と空間の中でお客様と心を通わせることができた時は非常にやりがいを感じます。

一つ最近のエピソードを紹介すると、2年ぶりに日本に帰国される外国籍のお客様がいらっしゃいました。日本好きであることや、ずっと帰りたかったけどどうしても状況が許さず帰れなかった、などお客様のご搭乗の背景や想いを会話の中から引き出し、クルー同士で共有。

そして最後に、日本を感じられる和菓子と「お帰りなさい」と書いたメッセージプレートをお渡ししたところ、お客様は感激し、目に涙を浮かべていらっしゃいました。

このような旅の思い出の1ページを彩る手助けが直接できるのはCAならではですし、私自身のモチベーションにもつながっています。

デジタル化が進む中、だからこそ人にしかできない温かいサービスを提供することが、私たち客室乗務員のいる意味だと思います。大きなサプライズだけでなく、お客様の気持ちを汲んだ小さな気遣いが人の心を動かすこともあります。

そのために「相手の立場に立って考え尽くす」ということを日々意識して乗務してきました。それがお客様の笑顔へとつながった時は本当に嬉しいものです。

人間力を磨き、魅力的な人へと成長できる

客室乗務員は常に目の前の人を喜ばせることを考えています。

そのためにはその人の前後の行動を想像して今何を求めているのかを予測したり、会話の中からその人の特徴を捉え、その後どのように接していけば良い関係性を築けるのか、などを考えたりする必要があります。

これはお客様に対してはもちろん、同僚や友達、家族にも実践できることです。

私がまだ一年目のときのこと。「初めての国際線を控えている」と先輩に話したところ、忙しい乗務の合間を縫って国際線で気をつけるべきこと、などのポイントを書いた紙をくださりました。

誕生日間近に乗務した際には、クルー全員からのメッセージが入ったカードとともにお祝いしてもらったこともあります。思い出したらキリがないほどクルーに笑顔にしてもらいました。

当初は初めて会う人に対してなぜそれほど尽くせるのだろう、と不思議に思ったほどです。それと同時に、ここまで人のために尽くせる人が集まる職場で働けることに感動しましたし、本当に素敵な職業だなと実感しました。

「こうなりたい」と思える自分の理想とする女性に出会うことができる、恵まれた場所で働けることは非常に魅力的です。そしてそのような環境で働くことで想像力が養われ、人を喜ばすことに長けた素敵な人間へと成長できると思っています。

日々新しいことを発見し、成長できる

乗務する度に新しいことを吸収し、自分の成長を感じられることは大きなやりがいです。サービスやマナー、所作はもちろんですが、やはり人と人との関わりの中で学ぶことは大きいです。

例えばインド路線を初めて乗務した際、お客様からのリクエストの多さに戸惑い大変な思いをしたことを覚えています。

しかし、そんな私に当時の先輩が、インドでは「人に迷惑をかけてもいい、その代わり迷惑をかけられたら助けなさい。」と教育されているから、リクエストが多いのは当たり前だ、と教えてくださいました。

そのとき、自分自身や日本の価値観でお客様に接していたと実感しましたし、「人に迷惑をかけてはいけない」と教えられる日本と真逆であることに興味深さを覚えました。

その後もその路線を何度か乗務していますが、インドの方は本当に心が広く、時には深い優しさで受け止めてくれます。今ではそんなインドの方々の考え方を尊敬しているし、どのように接すれば喜んでいただけるかも考えられるようになりました。

この出来事は一例ですが、客室乗務員をしていると自分の価値観をアップデートするきっかけにたくさん出会えます。

機内は世界の縮図のようで、様々な考えや文化に触れられる場所です。それぞれの国や地域の文化背景を学び、実際にその国の方々と機内でお話しできるのは非常に貴重な経験になります。

知識と経験が蓄積され、グローバルな視点を養い、人として成長できることは大きなやりがいだと感じています。

客室乗務員の魅力とやりがいについてご紹介しましたが、いかがでしたか。

コロナウイルスの影響もあり、今後の航空業界に対して不安に思う方や本当にCAになってよいのか迷う方も多いかもしれませんが、このような環境下で働いていてもなお、CAの仕事はたくさんの魅力が溢れる素晴らしい仕事だと日々感じます。

「客室乗務員になりたい」というご自身の思いを大切に、皆様が空に羽ばたける日を心から願っています。

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この記事を書いたキャビンアテンダントは・・・

現役国際線CA Sakura

都内の大学を卒業後、大手国内航空会社に入社。客室乗務員として国際線を中心にフライトを行っている。スクール広報&Webライターとしても活躍中。