コロナ禍を生き抜いた現役CAが話す!改めて感じる客室乗務員になって得られるもの

客室乗務員は、世界を飛び回り、限られた空間と時間の中でお客様と接する特殊な職業です。しかし、2020年以降に感染拡大した新型コロナウイルスの影響で、航空需要は激減し、エアライン業界を取り巻く環境は大きく変化しました。それから約3年が経過し、多くの航空会社が採用活動を再開、空港にも人が行き交っています。同時に、航空業界も日常を取り戻しつつあります。

しかし、「コロナになってCAのあり方は変わったの?以前のように楽しく世界を飛び回れるの?」と不安に思う方も多いかもしれません。実際にコロナ禍を経験した現役CAが感じる、「客室乗務員になって身につくスキル」や「客室乗務員になって得られるもの」についてを解説します。

客室乗務員になって身についたスキル

客室乗務員は常にお客様に気を配ると同時に、万が一に備えて保安・安全業務を行います。さらには世界中を飛び回り、各国のお客様と出会う中で、客室乗務員になってから身につくスキルは多々あります。実際に働いてみて、特に成長したと感じたことをご紹介します。

高品質なマナー・ホスピタリティ

客室乗務員は日々多くのお客様に出会います。コロナが落ち着いた2022年春以降には、1日に約1,000人のお客様に出会うこともあります。全てのお客様に、飛行機で快適に過ごしていただくためには、高品質のマナーとホスピタリティの心は欠かせません。

お客様の背景にはどのようなストーリーがあるのか、また、乗務員に対し何を求めているのか、常に観察し、行動することが重要です。特別な目的をお持ちの方にはサプライズでプレートやメッセージカードをお渡しすることもあります。しかしそのように特別なことだけではなく、薬を飲むお客様には常温のお水をお持ちする、涙を浮かべているお客様には何も言わずにティッシュをお渡しする、急いで乗りこんできたお客様にはお水とおしぼりをお渡しするなど、一つ一つの小さな気遣いが、お客様の心に残り快適な空の旅につながると考えています。お客様一人ひとりが出す小さなサインに気づき、行動することでホスピタリティの心を日々養うことができるのです。

危機管理能力や対応力

客室乗務員は、様々な訓練及び業務を行います。機内は限られた特殊な空間です。そのため何か緊急事態が起きた際には、まずはCA自身が対応する必要があります。

クルーの中でどのように役割分担を行い、何を優先しその問題を解決していくか、常にリスクとタスクを考え行動しています。出発前後の機内に残った忘れ物一つをとっても、「もしかしたら不審物や爆発物かもしれない。」という可能性を考え、対応していく必要があります。「これくらい大丈夫だろう」という軽い気持ちが大きな事故や事件に繋がるリスクがあるため、CAとして働き始めてから危機管理能力が非常に高くなりました。

世界に通用する知識や教養

客室乗務員をしていると、様々な文化背景を持つお客様と出会います。そのためそれぞれのお客様とより良いコミュニケーションをとるために、日頃から幅広い知識を得ようと努力をするようになりました。各国の歴史や文化、宗教について、また最新のニュースを見て時事的な情報を習得し、あらかじめ知識をつけておくことでお客様に信頼されやすくなります。

実際にその土地を訪れたり、機内でその国のお客様とお会いし、知識や教養を学ぶこともたくさんあります。コロナ禍では身をもって各国の情勢を理解することができました。自分の実体験から様々な世界を知ることができるのは、CAの醍醐味であると感じています。

内面外面への高い美意識

客室乗務員は、自分を磨こうと日々努力している人が非常に多いと思います。常に「目の前のお客様に喜んでもらうためにはどうすれば良いか」を考えているため、日常生活においても細かい気遣いや、先回りした行動ができるようになります。

また、CAだけでなく清掃係員、整備士、パイロットやグランドスタッフなど多くの人と一緒にチームで飛行機を飛ばしているため、それぞれ仕事がしやすいように、直接関わりのない人に対しても思いやりを持って行動する必要があります。相手の気持ちを想像し、自ら考えて行動していく美しい心を持った人が本当に多いです。私もこのような人間になりたい、と思える先輩や同期、後輩がたくさんいます。

さらに、客室乗務員は常にお客様から見られているため、言葉遣い、細かい所作や姿勢、指先まで気を配るようになりました。所作や言葉遣いは第一印象を決める大事な要素です。客室乗務員をしていると、これらも自然と鍛えられていると感じています。

本業以外で活躍できる力

コロナの影響を受け、、多くの航空会社で副業が解禁されたと共に、以前よりフライトが減ったのをきっかけに副業を始める人が多くなりました。私もそれを機に副業でWebライティングやSNS運用の仕事を始め、フライト以外のスキルを身につけることができています。

現在は働き方も多様化され、社内においてもフライトだけでなく様々な分野で活躍できる場が多く設けられるようにもなりました。多岐に渡る経験を積む機会が増えたことにより、本業以外で活躍できる力も、フライトをしながら養うことができます。CAも続けたいけど、他の分野にも挑戦してみたい、という方にはもってこいの環境だと思います。

客室乗務員になって得られるもの

客室乗務員になるとどのような困難や達成感を得られるのでしょうか。憧れる職業だからこそ気になりますよね。厳しい訓練を乗り越え、「機内」「空」という特殊な環境で働く客室乗務員。他の職業ではなかなか感じることのできない、多くの魅力についてここでお伝えします。

仲間や同期との絆

入社したらまず、同期と共に約2〜3ヶ月の訓練を行います。右も左も分からない中、厳しい訓練を乗り越える必要がありますが、大変だからこそ、同期との絆は深くなります。全員が「空を飛びたい」という共通の目標に向かって頑張る日々は、後から考えればかけがえのない思い出です。

実際に訓練生を卒業し、空に飛び立つ頃には同期とは離れ離れになり、フライトで一緒になることもほとんどありません。しかし、何年経っても訓練をともにした同期とはプライベートでご飯に行ったり旅行に行ったりと、関係性は一生ものです。コロナで仕事が減り辛い時期もありましたが、そのような時も同期同士で励まし合いながら乗り越えることができました。このようなかけがえのない仲間に出会えることも、客室乗務員を目指す魅力だと感じています。

フライト後の達成感

難しいお客様の対応に苦慮したり、機内食が腐ってしまいお客様に提供できなかったり、化粧室の火災報知器が作動したりと、フライトでは様々なことが起こります。その度にクルー同士で知恵を出し合い、協力して乗り越えます。乗務中に何が起きようと、フライトが無事に終わればその日の仕事は全て終了です。客室乗務員は保安要因としての役割が大きく不測の事態に備える必要があるため、いくら経験を積んでも、毎度フライト前は緊張するものです。

長いフライトを終え、客室センターに無事に戻ってきたときは言葉では表せないほどの達成感があります。また、お客様から「またこの飛行機に乗りたい、◯◯さん、ありがとう。」などとお礼やお褒めの声を直接いただいた時はこの仕事をやってて良かった、と強く思います。

グローバルな視点

新しい土地に行き、新しい景色を見て、新しい人と出会う、これが仕事でできるのは客室乗務員ならではの利点です。世界中を旅して各国の文化やアート、歴史に触れられることはもちろん、機内においても多くの国籍の方と出会い、接します。最初は違いに戸惑うこともありましたが、その行動の背景にある歴史や文化を学ぶことで、自分の当たり前は周りの当たり前ではなく、違いがあるからこそ面白いと思えるようになりました。

機内やステイ先で様々な人と関わる中で、他者を敬い、認め合う心が養われているような気がします。またそういった広い視野を持ち、物事を考えられるようになってこそ、世界中の人々に喜んでいただけるサービスができると考えています。時代とともにニーズもさらに多様化しています。まだまだ、勉強する日々です。

これから身につけたいことや得たいこと

今後は、チームを上手に動かし、周りのクルーに影響を与えられるような客室乗務員になりたいと考えています。良いフライトを作るためにはチームワークが欠かせません。一緒に働くクルーに信頼され、それぞれの強みを活かすことができるようなチーム作り、マネジメントができる客室乗務員になりたいです。

【まとめ】

いかがでしたか?客室乗務員をしていると、数え切れないほどの貴重な経験ができます。これほど多くの人に出会い、様々な土地を訪れることができる仕事はなかなかありません。コロナになり情勢は変わったものの、今も変わらず客室乗務員は魅力が尽きない素敵な仕事だと感じます。さらに現在ではフライトだけでなく、多方面にわたり活躍できる場もあります。日本の入国制限もなくなり、今後航空業界はますます元気を取り戻していきそうですね。客室乗務員を目指している方、少しでも興味がある方は、ぜひ今後の採用試験に挑戦していただきたいです。

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この記事を書いたキャビンアテンダントは・・・

現役国際線CA Sakura

都内の大学を卒業後、大手国内航空会社に入社。客室乗務員として国際線を中心にフライトを行っている。スクール広報&Webライターとしても活躍中。